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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:は行 男性
評価:★★★☆☆
長編。 --- 梗概 ------------- 十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが...。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。(「BOOK」データベースより) ----------------------- 毛玉の浮き始めたテキトーなゆるカジファッションでふらふら買い物してたら、とてつもないイケメンにナンパされました(笑)あの人は目がよっぽど悪いか、詐欺師かどっちかだったんだろうなと思った先週の昼下がり。
成功すれば傲慢になり、失敗すれば卑屈になる。 (P598より)
性同一性障害、トランスジェンダー、同性愛者・・・これらを包括的に取り上げたミステリー。 これはすごい。東野圭吾の問題提起から、深い洞察、鋭い慧眼までが圧巻。答えの出せない難しい問題に対する問いかけ、作者なりの解答。 したり顔でマイノリティについて語るお偉い教授やらテレビ番組よりよっぽど真剣に問題と向き合っている。 マイノリティを差別するな!!マイノリティにも光を!!人類みな平等!!云々の一見するともっともらしいけど実際は何も問題と向き合ってなくて耳目に入りやすい言葉で結局は当人たちの懊悩を解消する一助にもならない標語が跋扈する現在。 弱者の主張を全面的に受け入れることが正解でも正義でもないんだってことをこの本は改めて教えてくれる。 かなり深く掘り下げて書かれていてテーマを存分に扱いきった感がある。秀逸。外側からみただけでなく内側からもみて。多角的にみて。すばらしかった。 ただ、ミステリーとしてはそれほどでしたねーーー(;´∀`) === 96冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年10月10日 17時38分28秒
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