『落葉の季節』
『落葉の季節』(芝木好子・著)読了。短編9編。女性が、ふとしたやり取りから自分の気持ちに自覚的になり、今までの相手との関係を落着させようとする感じが、絶妙。短編って、こういう風に切り取るんだなあ。昭和の女性の言葉づかいもたまらない。それにしても、昭和には家や世間というしがらみがあったことを、今はもうこうして小説の中でしか感じることができない。いや、今も、どこかにはあるのかもしれないけど、それをこうして小説として残せるかどうか。レンタルDVDで『江戸川乱歩 「魔術師」より 浴室の美女』を見る。いま、青春アドベンチャーで「魔術師」を放送中なので、比較しようと借りて来た。72分でポンポン語る手際の良さは脚本:宮川一郎、監督:井上梅次の腕かな。天地茂の渋さを、平成の今になって知る。西村晃の胡散臭さ、とてもいい。佐野周二、なぜこんな役を。五十嵐めぐみ、かわいい。高橋洋子、うぶっぽい。夏樹陽子、色っぽすぎる。