『するめ映画館』/『お前なんかもう死んでいる』
『するめ映画館』(吉本由美・著)読了。するめのように、噛めば噛むほど味のある映画を取り上げてゲストと語り合う対談集。村上春樹、和田誠と3人で、潜水艦映画やサラリーマン映画、野球映画、ミュージカル、フィルム・ノワールについて語り合う後半の各章が読み応えあった。中野翠と語り合った「愛と宿命の泉」という映画、未見だが面白そう。『お前なんかもう死んでいる』(有吉弘行・著)読了。猿岩石で7000万くらい貯金があり、こんなブームは続かないから、と堅実な生活を心がけていたものの、その後の7、8年間鳴かず飛ばずで貯金を使い果たし、1日1食250円の生活をしてしのいでいたどん底時代。そこから学んだ「人生哲学」みたいなものを語り下ろしているのだけど、これがなかなか面白かった。サラリーマンの生き方に役立つのは、成り上がり社長の書いた成功哲学本よりも、断然こっち。幸せとは何か、それは夢や希望じゃなくて現実的な金だよ、と教えてくれる。何も持たず無駄なものを一切そぎ落としてしまった時に見えてくるものがある。ドン底から這いあがってきた人は、それを見ているから、その後ブレない。【送料無料】するめ映画館【送料無料】お前なんかもう死んでいる