テーマ:読書日記(2)
カテゴリ:読書
あだし野の露きゆる時なく、鳥部山の烟立ちさらでのみ住みはつるならひならば、いかに物のあはれもなからむ。世は、定めなきこそいみじけれ。命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふのゆふべをまち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮らすほどだにも、こよのうのどけしや。あかず惜しと思はば、千年を過ぐすとも、一夜の夢の心ちこそせめ。すみはてぬ世に、みにくきすがたを待ちえて何かはせむ。命長ければ辱多し。長くとも、四十に足らぬ程にて死なむこそめやすかるべけれ。その程過ぎぬれば、形をはづる心もなく、人に出でまじらはむことを思ひ、夕べの陽に子孫を愛してさかゆく末を見むまでの命をあらまし。ひたすら世をむさぼる心のみ深く、もののあはれもしらずなりゆくなむあさましき。(第七段)
------------------------------------------------------------ 【上記の感想】 上記は、『徒然草』の引用。 京都に鳥部山はあるようだ。 鳥辺山と今は書くようだが。 さて、今の時期になると、秋の虫の鳴き声が聞こえる。 そして、蝉の鳴き声が弱くなり、ツクツクボウシの鳴き声が目立つようになる。 世の中の無常感が漂う時期である。 そんなことを思うこの頃。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/09/05 09:41:54 PM
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