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テーマ:古代史(56)
カテゴリ:日本史・世界史
70分の講演を600字に これまであまり考えたことはないが、アナウンサーは1分間300字を目安に話しているという。これが対談だったり講演だったりすると、聞く人の反応を見ながら適当な間も必要だから、3分間で800文字ぐらいが標準だそうだ。わずか3分間の話でも原稿用紙2枚になるということだ。 先日のある会の総会で行われた、専門的な用語も入った歴史講演を、600文字にまとめるという役割を引き受けた。と言っても自分は専門家ではない、たまたま総会行事の担当だったというだけだ。ICレコーダーで録音した音声をワープロで文章化していくのだが、これにはかなり悪戦苦闘した。 講演の場合は、3分間800文字は早すぎる。早口の人で600文字、今回はパワーポイントでのプレゼンテーションをしながら話されたので3分間で500文字程度だったろう。講演時間は70分だったから約12000文字になる。これを600文字にまとめるとなると短縮率は20分の1である。如何に講演内容の骨子を、聞かなかった人にも分かるように要約するかがポイントとなる。 「サブテーマは、吉野ケ里遺跡発掘物語」 困ったのは歴史の専門用語である。早口で話された部分は聞き取り違いが起こりやすい。そんな部分はネットや手持ちの文献で調べたりして、間違いは極力減らしたつもりである。 また、「これが」とか「あれが」とか代名詞で話されている部分がある。それはパワーポイントの画面を指し示しながら話されているときである。音声だけでそれを文章化しても意味がない。そんな部分は割愛するほかなかった。分かる範囲で講演全体を文章化して、大胆に削除した部分もあった。 「邪馬台国の位置論争は別にしても、古代の佐賀は輝いていた」 吉野ケ里は古くから中国の文化を受け入れていた、吉野ケ里の墳丘墓、大型建物、祭壇が有明海を越えた雲仙岳に対していること、などを述べられた。そして、纏向遺跡や周辺の古墳も同じように配置されているという。中国式の祭祀のさきがけは吉野ケ里であり、九州周辺に大きな勢力があったのは間違いないという話された。 これまでは文献(ここでは「三国志」の「魏志」のなかの「倭人伝」)をよりどころとして交わされてきた邪馬台国論争が、考古学の成果をもとに行われているということが良く分かった。 今日のこの記事は1週間前ごろの話である。この頃は、自分自身があるテーマに関するプレゼンテーションの内容をパワーポイント化するという忙しい時期でもあった。だからなおさら、特定の専門分野に関する講演を、音声記録だけから文章化するのは、時間を要する難しい作業だと感じた。 ここから得た教訓は、単純なことだが講演を記録するときは、音声でなく映像の記録を残しておくことである。そうすると、プレゼンテーションの様子もわかって文章化しやすいし、テープでは聞き取りにくかった歴史用語も、プレゼンテーションの内容から判るということだ。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/07/12 12:07:16 PM
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