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テーマ:世界史(8)
カテゴリ:日本史・世界史
「世界史の新常識」
タイトルについて言えば「常識」になった時点でもう古いと思う。だけど、世界史のポイントをつかむのに好適な良書である。執筆陣も各時代史の錬達の士で構成され、しかもなんと、ワンテーマ10~20ページにまとめられている。 どこからでも気楽に読めるという点で、世界史をとても身近に感じさせてくれる。通史的な記述やこれまでの通説とは違った形の切り込みが面白い。 出版社の編集部が次のような前書きを書いていまる。 「私たちはいま激動する世界史のただなかにあるのではないか。そう感じて いる人は少なくないでしょう。中国の台頭、トランプ大統領の登場、ヨーロッ パの混乱、深刻化する移民問題、広がる格差、世界中で繰り広げられるテロ行 為、指折り数えていけばきりがありません。(以下略) 「世界史の新常識」 (文春新書:文芸春秋社~2019年3月20日第1刷) ここで掲げられているように、「今まさに歴史の中に生きている」この実感こそが大事だと思う。ただ現在の時間に流されていくことなく、時代の流れを冷静に見つめて、世界史の出来事に参照しながら、「今」という時の流れの主人公であるという意識をもつことがたいせつになる。 その意味で、この新書の企画は当を得たものでした。 大きなタイトルは、「古代」、「中世・近世」、「近現代」、「ブックガイド」となっています。これはありきたりですが、小タイトルが面白い。この小タイトルについて10~20ページで書かれているのです。一例を挙げてみる。 「古代ギリシャはペルシャ帝国に操られていた」 「キリスト教はイエスの死後につくられた」 「イモン族を活用したチンギス・カン」 「ルネサンスは魔術の最盛期」 「明を揺るがした日本の火縄銃」 「産業革命がイギリス料理をまずくした」 「共和党対民主党、日本人が知らないアメリカ史」 などなど 例えば、西洋文化は西洋の世界進出(アジアアフリカの植民地化)以降賛美されてきた。ところが西洋文化の出発点であるルネサンスの基盤は中国文化やイスラム文化にあった。このことは、最近の教科書も同じ立場で書かれています。 例えば、戦国時代後半、日本は世界一の軍事大国だったといわれます。これまでの常識がひっくり返るような「新常識」が数多く書かれている。エピソード中心に簡潔に書かれているので、誰にでも気軽に読める。 ↓ランキングに参加しています。よかったらクリックをお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/10/18 01:38:56 PM
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