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カテゴリ:好きな歌・好きな曲
「さようならの向こう側」 先日NHK BSで山口百恵のラストコンサートが放映された。世代的に少し上の自分は山口百恵の熱心なファンではなかった。しかし、大変話題となった40年前のこのイベントを観て何とも言えない感慨を覚えた。 コンサートは三部構成だった。最初は、阿木曜子・宇崎竜童の作詞・作曲による「横須賀シリーズ」など、強気の女性を表現した歌が続く。「プレイバック Part2」、「絶体絶命」、「イミテイション・ゴールド」。これらの歌は演技させられているといった感じも受ける。 「プレイバックPart2」 (アイドルから脱皮し、大人の女性に変身していく様を演じていた) 二部はデビュー当時の歌が中心だった。「花の中三トリオ」と呼ばれていた時代の歌である。「ひと夏の経験」、「禁じられた遊び」、「春風のいたずら」、「青い果実」など。このあたりの歌は、デビューしたころで彼女の実年齢と歌の内容がマッチしていた。 「一夏の経験」 (8年間が過ぎ、あの幼顔に変わって貫禄ある大人の女性に変わっていた) 第三部は「ロックンロール・ウィドウ」から始まった。そのあと、「いい日旅立ち」、「一恵」、「曼珠沙華」、「秋桜」とバラード続いた。トークの場面では「秋桜」に寄せて母親への気持ちを自分と重ねて歌っているなど、珍しく自分自身の心を披歴していた。 そしてラストソング「さよならの向こう側」。これを作詞した阿木曜子の詩の世界の広がりに今も感心する。宇宙のかなたに思いを馳せたかというと、足元の一輪の花の生命を慈しんでいる。この出だしにすっかり魅せられる。 何億光年 輝く星にも 寿命があると 教えてくれたのは あなたでした 季節ごとに咲く 一輪の花に 無限の命 知らせてくれたのも あなたでした 「さよならの向こう側」 (愛する人との結婚を控えた、私的な感情もこもった切なさが胸を打つ) 「さよならの向こう側」は、まさに歌謡曲の一つの時代を飾った山口百恵の最後を飾る歌にふさわしい歌だった。彼女は、このラストソングの前までは淡々と歌いそして語った。しかし、この「さようならの向こう側」で初めて涙をこらえることができなかった。 それでも気丈に歌い上げた山口百恵は、名残を惜しむようにマイクをステージ上に置いた。そして8年間の歌手生活にピリオドを打ち「サヨナラの向こう側」に去っていった。それ以降、本当に彼女は人前でマイクを持っていない。公の場には姿も見せない。 もはやこれは「あっぱれ」というべき最後だっのだなと改めて感じた。 ↓ランキングに参加しています。よかったらクリックをお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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