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テーマ:生まれて初めての出来事(2)
カテゴリ:アーカイブスシリーズ
生まれて初めてもらった賞状 君たちは今までもらった賞状を大切にとっていますか。私はこれまでいくつか賞状をもらいましたが、残念ながら手元に残しているのはありません。 でも、一つだけ大切にとっているものがあります。私のお宝です。これを今日は君たちに見せようと持ってきました。さあ、これですが、さて、何の賞状か想像できますか。実はこれは私が一番最初にもらった賞状です。 「三等賞の賞状」 (生後三カ月でもらった賞状、まさしく生涯で最初の症状である) 前の人は見えましたね。参等賞と書いてあります。これは「赤ちゃん会」で私が三等に入ったという賞状です。今はあっていないですが、そのころは、赤ちゃんの体重や身長や育ち具合を調べて優秀な人を表彰する赤ちゃん会というのがあっていいたのです。そこでみごと三等賞に入ってこの賞状をもらったのです。 でも、この賞状は私が何かをがんばってもらった賞状ではないのですね。私は生まれたばかりの赤ちゃんですから。これは、私のお母さんが私を大切にしっかり育ててくれたことに対する賞状です。 そのあと、両親が背が低かったためか私はあんまり背も伸びずに、今もご覧の通りです。もっと背が高くなりたいなと親を恨んだりしました。 でも、今はこの賞状を見るたびに、私を健康に生んで育ててくれたことに大変感謝しています。だからこの賞状は私の一番のお宝です。 君たちも、あ父さんお母さんの立派な遺伝子を受け継いで元気に生まれました。がんばろうと思えば何でも、何不自由なくできる。それに感謝して、今自分がしなけれぼならないことに精一杯頑張つてください。 今週は期末テスト、それが終われば郡中体連が待っています。目標を持ってしっかり頑張ってください。今日のお話はこれで終わります。 当日朝、全校集会の担当のT先生から、「校長先生今日は三分スピーチいきますか?」と言われ、今までは五分のつもりだったのに三分では何を話すか難しいなあと思いながら話したのが、「初めてもらつた賞状」というお話です。 私の生まれた昭和二十六年は、米軍による日本の占領が終わつた年です。「赤ちやん会」は、戦後の食糧事情の悪い中で、元気な子どもを育てようという当時の日本の復興への意気込みが感じられる行事だつたのでしょう。頭のつむじが横にあつたので(要するにつむじまがり?)一等を逃したと母が言っていました。 その母も七年前に肝臓を患って、七十四歳で亡くなりました。亡くして初めて母の恩や、親の我が子にかける思いがわかるものです。 ※Y中学校学校だより第11号(2001年6月30日発行)より ※生まれつき障害のある人などもいるので、現在は赤ちゃん会のような催しは行われていません。 ↓ランキングに参加しています、良かったら下をクリックをしてください。 写真日記ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/09/19 06:36:00 PM
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