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テーマ:人権教育のあり方(19)
カテゴリ:人権を学び心をたがやす
男らしさ、女らしさってなに?
市南部の大規模小学校から、「ジェンダー格差」や「性についての多様な考え方」について、人権教室で取り上げて欲しいというリクエストがあった。対象学年は5年生、ここ数年小学校からこのような要望が出るようになった。 「性の多様性」を考える時に大事なことは、マジョリティがLGBTや性的マイノリティを理解して仲間に入れてあげることではない。マジョリティが「普通」という立場を降り、自分自身を含んだ「性の多様性」について考える事だとされる。 小学校高学年になると、自分の性に疑問や違和感を持つ児童が出てくる。しかし、教員はそのことの指導について研修ができていない。人権擁護委員としても実際に教室の児童の前で話すことは簡単な問題ではない。(以下、今回の実践の要旨) 写真① (間違った「男らしさ」や「女らしさ」という思い込みに気づかせる) 写真② (社会の中でのジェンダー格差やジェンダー差別について知らせる) 写真③ (「まとめ1」として、ジェンダー格差について確認させる) ここまでは、誰でも気づくことができたろう。ここから先の展開は、学校や学級での事前の指導如何で変わってくる。「性の多様性」に触れても、「LGBTq」まで触れるかどうかについてはレディネス(既習知識や経験)の問題もある。 今回も担任の先生との事前打ち合わせの結果「LGBTq」に踏み込むことは避けた。小学5年生の段階では難しいし、微妙な問題なのである。 写真④ (「性の多様性(いろいろな考え方)」の入り口までは伝えようと考えた) 「性の多様性(いろいろな考え方)」に関しては、「からだの性」、「こころの性」までに止めた。それ以降に用意していた、「表現する性」と「好きになる性」以降はクリックしなかった(展開しなかった)。したがって、ミッツ・マングローブさんのエピソードも提示していない。 写真⑤ (誰でもかけがえのない命を生きているとして、「いのちの歌」につなげた) 「いのちの歌」は2009年にNHKの朝ドラ「だんだん」の挿入歌として発表された。古い歌だが学校でも良く歌われていて、自分もこれまでの人権教室で何回も使ってきた。小学6年生の音楽の教科書にも出てくる。 写真⑥ (歌詞をカラオケのように、タイミングよく流れるよう作るのに苦労した) 茉奈・佳奈の歌入りのパワーポイントだったが、児童の歌声はあまり聞こえなかった。自分がギター弾き語りをしていたため聞く余裕が無かったのかもしれない。終わってから尋ねるとほとんどの児童がこの歌を知っていたと手を挙げた。 感想文を後で送ってもらった。ジェンダー格差・差別についてはよくわかったと書いている児童が多かった。また、自分らしく生きることの大切さについても、理解できたと書いた児童が多かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/09/14 06:12:49 PM
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