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1950年代から半世紀もの年月ヘリコプターから地上に絵具を炸裂させる絵画など独自のアクション・ペインティング&パフォーマンスを繰り広げてきた嶋本昭三。
齢77を迎えた2005年、初夏およそ100人のアーティストを率いて敢行されたイタリア関連アート・プロジェクトの旅、その記録- ~ヘリ・パフォーマンスinトレビ&ナノテクinレッジェ・エミーリア~ 嶋本もまた、さらにもうひとつの<限界>を超えた。 新しい「絵画の場所」、歯ブラシの毛先に描かれた絵を発表したのだ。 「大きくなければおもしろくない。大きいほどおもしろい」 と語り、25メートル四方もの巨大キャンパスを使ったこともある男が、 京都立命館大学の杉山進教授の技術サポートを得て、顕微鏡でしか見えない 「世界最小のキャンパス」、直径200ミクロンの歯ブラシの先に、 レーザーを使って絵を彫り込む。 結果、他のアーティストたちも参加し、歯ブラシの毛一束に22人の絵が描かれた。 「ナノ・テクノロジー+アート」だ。 遠藤保子、こだまこずえ、紫舟ら、踊るパフォーマーの身体をキャンパスに、 歯ブラシの映像照射も行われた。 嶋本は語る。 「フラメンコを踊った浦上豊子なんか、レゴのかけらを何百も、顔や衣服に貼り付けて。 その上に歯ブラシのナノ・アートが拡大されて重なると、ふたつが混じってそれぞれの元々の限界を超え、まったく別の新しいアートが生じてくる」 →次回に続く アンドレア・マルデガン(アート・コーディネーター)=文 「美術手帳」9月号より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.09.29 16:12:53
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