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テーマ:新撰組!(305)
カテゴリ:「新選組!」
志れば迷ひ
志なければ迷わぬ 恋の道 ようやく念願だった浅田次郎氏の「輪違屋糸里」 がドラマ化されました。前々から読みたいと思い つつも、浅田次郎氏といえば「壬生義士伝」の 印象が強いばっかりになかなか読めずにいましたが、 TVドラマ化となれば見ずにはいられなかったです。 2夜連続の4時間という本格時代劇となればもう これでもかというくらい本作の魅力を語ってくれる であろうことを期待して見ていたのですが、まだ 前編ながらも明日に期待できる満足なものだったの ではないかと思います。 物語のメインが芹沢鴨暗殺までの顛末というもの ばっかりに、どうしてもまだ暗いイメージがつき まとう時代の新選組の物語となりますので、横暴 の限りを尽くしていた時代だけに見ていて理不尽さ を感じること数限りないシーンはありましたが、 そんな嵐のような場面とは対照的に平和な日常の 場面ではかつてこれほどまでに取上げられたことが あるのだろうかというくらい芹沢派の平山五郎が 準主役的な場面が多く、逆に近藤派の面々の影が 薄かったのがなかなかに面白かったです。もちろん 土方歳三と糸里の心の通い合いはさることながら、 浅田氏特有の悪役をただの悪役で終わらせないと いう尽忠報国の士芹沢鴨のその人となりも描かれて おり、今までにない新選組の物語ではなかったかと 思います。とかく幕末といえば刀に命を賭けた男 たちが描かれがちですが、生き方に命を賭けた女 たちの姿がそこにはしっかりと描かれているという のがまた独特なものではないかと思います。ラスト では意外な展開になりながらも、明日からはどの ように展開していくのか、今から楽しみです。 今日の放送を見て、一番印象に残ったのが冒頭の 土方歳三が詠んだ句。この句は豊玉が作った俳句の 中でもかなり有名な句でありながらも、「志れば」 の部分と「志なければ」の部分はひらがな表記されて いることが多く、そう思っていたのですが、こうして 「志」という字で書かれた俳句を見るとこれこそが 土方の人となりをぴたっと表している、心を打たれる はまった歌だなと思わず感じ入ってしまいました。 今までも新選組関連の本は何冊も読みましたが、まだ 新たな発見をさせてくれます浅田次郎氏の「輪違屋糸里」 の明日の放送が待ち遠しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.10 00:21:13
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