<2012年>映画「灼熱の魂」
【スタッフ】監督=ドゥニ・ヴィルヌーヴ 製作=リュック・デリー、キム・マクロー 原作戯曲=ワジディ・ムアワッド 脚本=ドゥニ・ヴィルヌーヴ 撮影=アンドレ・トュルパン 美術=アンドレ=リン・ボパルラン 衣装=ソフィー・ルフェーヴル 編集=モニック・ダルトンヌ 音楽=グレゴワール・エッツェル 【キャスト】ルブナ・アザバル =ナワル・マルワン(母親) メリッサ・デゾルモー=プーラン=ジャンヌ・マルワン(双子の娘) マキシム・ゴーデット =シモン・マルワン(双子の息子) レミー・ジラール =公証人ジャン・ルベル 【あらすじ】初老の中東系カナダ人女性『ナワル・マルワン』は、ずっと世間に背を向けるようにして生き、実の子である双子の姉弟『ジャンヌ』と『シモン』にも心を開くことがなかったそんな どこか普通とは違う母親は、謎めいた遺言と二通の手紙を残してこの世を去ったその二通の手紙は、「ジャンヌ」と「シモン」が 存在すら知らされていなかった 兄と父親に 宛てて 綴られていた遺言に導かれ、初めて母の祖国の地を踏んだ姉「ジャンヌ」と弟「シモン」は・・・・母の数奇な人生と 家族の宿命を探り当てていくのだが・・・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー映画の冒頭 キャメラが中東らしい荒涼とした景色を映し それから 石造りの薄暗い室内に入ってゆく なにやら10才前後の 中東系の男の子供達10数人が 緊張してか 声も立てずに蠢いてるその足元が次々に映り 踵に三つの黒点がある子の所で止まり 徐々に 下半身から上部へ その少年 戦闘員にされる為 頭をバリカンで坊主っクリに刈られていた その暗い表情大写しになると 挑むように攻撃的な睨む眼に一点の光りが輝き 強烈な印象を投げかける(コレ どこかで観たなァ?)そうだ 黒澤明作品「赤ひげ」で 「二木てるみ」が演じた あの博幸な少女の怯え切った眼だこの眼の光を撮るため 何日間もかけたと キャメラマンの後日談を読んだ記憶が蘇るこの男の子 実は・・・・ラストに解る 重要な人物で・・・・ このショットだけで オイラは画面に釘づけになったほど・・・・・この監督 出来るゾそして緊張感のまま一気に観終わり 「ホントに凄いもん観ちゃった!」が 正直な感想です主役『ナワル・マルワン』中東 辺境の村 イスラム教徒の男を愛し 子を孕み、「家族の名誉を汚した」と 目の前でキリスト教徒の兄に その男は殺され 産んだ息子は連れ去られ、後に彼女は村から追放された その息子はイスラム教徒の襲撃で殺されたと思い込み、キリスト教徒のテロ組織に身を投じ イスラム教徒幹部を暗殺 捕らえられ監獄に入れられ 15年間 酷いレ〇プや拷問を受けつつ それでも屈することなく 獄中で歌い続け「歌う女」と名を轟かせ 女闘士「ナワル」となった レ〇プ看守の子供(双子)を生んだが その双子は処分され 身も心も傷つき果てた末に釈放され 後年 カナダに亡命した最悪の 非情で苛酷な 生死を分けるギリギリの線上を 歩んできた母親「ナワル」の壮絶人生その衝撃の結末は おそらく 誰もが打ちのめされてしまう程・・・・強烈なモノだった この物語の発端は キリスト教徒の「ナワル」が イスラム教徒の男を愛したこと何故 宗教が違うというだけで 殺し合うほどのコトがあるのだろうか?神様は 人間同士の諍いを望んでおられるのだろうか?何故 お互いを認め合おう 仲良くしよう 平和に暮らそうと 説教しないのだろうか?今時の戦争や紛争って 多方は (貧しい)国々の (貧しい)若者達が駆り出され 対する 同様の若者相手に(当人同士は)なんの怨みも怒りもないまま 殺し合う悲劇 この映画の中でも そんな 眼を覆いたくなるような惨劇が・・・・ 「ナワル」は イスラム女性になりすまし 乗合バスで息子の居るイスラム国を目指すが 途中 キリスト教徒のテロ組織に襲われる 自動小銃が打ち込まれ バスにガソリンをかけ火が付けられる瞬間 胸に下げた十字架のペンダントを掲げ 私はキリスト教徒よ! 助けて!」と叫び 傍にいた女の子を抱え 飛び出すが・・・・女子供でも 異教徒であれば容赦なく皆殺しにしてしまう 何をそれほど憎悪してるのか?平和な日本で ぬくぬくと生きてるオイラなんぞに 理解など出来る理由がない そうそう 衝撃の結末は 書かないでおこう・・・・あまりにも・・・・だからもしも 本当にこんなコトがあったら 「ナワル」の遺言のように誰にも知らせず 裸のまま うつ伏せにして 土に埋めよ 墓石も墓碑銘もいらない といやいや まだまだ オイラも知らなかった名作映画が 沢山あるのですね・・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【宗教】(しゅうきょう・religion) (ウィキより)一般に、人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする観念であり また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のことである世界の宗教の信者数は、キリスト教=約20億人(33.0%)、イスラム教=約11億9,000万人(19.6%)ヒンドゥー教=約8億1,000万人(13.4%)、仏教=約3億6,000万人(5.9%)、ユダヤ教=約1,400万人(0.2%)、その他の宗教=約9億1,000万人(15.0%)、無宗教=約7億7,000万人(12.7%)である ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー5月3日に撮った EBIHARA医院の「ぼたん」