カテゴリ:崎谷はるひ
「絵になる大人になれなくても」を読みました。
このお話は高校時代親友同士だった真弓と峻之の8年愛を描いたもの。 お互い恋愛感情を持ちながらそれを自覚していた峻之と 自覚していなかった真弓。 無自覚な親友を混乱に落とさないために、峻之は気持ちを告げないまま卒業と同時に姿を消してしまいます。 真弓は峻之の突然の失踪に「捨てられた」と自信を失くし、その後ショックを引きずることになります。 8年後、二人は偶然再会しますが素直になれず、会話はぎこちなく・・ 気持ちが通じ合うまでは意地の張り合い。特に真弓がネガティブです~。 この作品は同じく崎谷さんの「目を閉じればいつかの海」にとてもケースが似ていて・・ つまり男同士ということに怯え、片方が姿を消してしまうパターン。 只、違っているのは 「目を閉じれば・・」は失踪した方が主役で、「絵になる・・」は残された方が主役。 両方とも受視点なのは同じですが、立場が異なるので面白かったです。 真弓は意地っ張りですが、まじめで一生懸命。 想いを伝えるためにプライドを捨て去る姿は健気で可愛い。 一方峻之は表面はとてもイイ人。包容力があって人間関係も上手く作ることができる人格者。 高校時代は真弓をフォローしまくります。 ところが、峻之には演劇の才能があったのですね~。8年後は人気上昇中の劇団員がお仕事。 つまりイイ人を演じることができるわけで・・ 本性は真弓をムチャクチャにしたいと思っている、濃~い情の持ち主。 けっこう激しいHを仕掛けたりするのでした~(笑) この作品は全体的には崎谷さんらしい物語でしたが、核心に到達するまでが長かった感があり・・ 例えば真弓の仕事内容に関する文章、仕事で扱う機器の説明、峻之の関わる劇の内容などなど・・。 崎谷さんの後書きに6年前の作品を加筆修正したものとあったので、 正直それをやり過ぎたんじゃ・・ ちょっと無くてもいいような説明文が多かった気がします~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.20 23:00:51
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