テーマ:糖尿病(2614)
カテゴリ:糖尿病について
と、タイトルのことを述べるのは山梨医科大学名誉教授の佐藤章夫氏。
続きを読んでみましょう。 炭水化物が増えると大量のインスリンが必要になる、と 思い違いをしているからである。 事実は逆で、炭水化物の多い食事を続けていると、 インスリンの効き目が高まるため、インスリンの分泌が少なくてすむ。 高炭水化物食はインスリンの分泌能の低い日本人には最適の 食事で、肥満を抑え、糖尿病を予防する。 ×肉・牛乳や乳製品・卵を大量に摂取→インスリンの働き低下 ○米などの穀物(炭水化物) →インスリンの働き上昇 日本人に糖尿病が増えたのは、肉・牛乳や乳製品・卵などから タンパク質や脂肪を大量に摂るようになったために、 炭水化物の摂取量が少なくなってしまったことに原因がある。 炭水化物の摂取量が減ると、身体のインスリン感受性が低下する。 そのため、もっとインスリンを分泌せよと、身体は膵臓の ランゲルハンス島にあるβ細胞に指令をだす。 インスリンは体内に脂肪を貯めこむホルモンのため、 インスリンの分泌が増えると、内臓に脂肪が貯まって身体は 肥満する。内臓脂肪によってインスリンの働きはさらに 悪くなる(インスリン抵抗性)。 身体はさらなるインスリン分泌を要求する。β細胞は この要求に応えようと必死に努力するが、やがて疲れ果てて ダウンしてしまう。これが糖尿病である。 日本人はもともとインスリンの分泌が少ない。 日本人の膵臓のランゲルハンス島は小さく、さらにその数も少ない。 日本人のインスリン分泌量は欧米人の1/2~2/3 と言われている。 これは日本人が古来、インスリンをあまり必要としない 穀物中心の食生活を送ってきた生理的適応の結果である。 だから、私たち日本人は,米と雑穀を中心とする食生活で 生き延びて来られたのだ。「ごはん(炭水化物)をたくさん 食べればインスリンがたくさん要るのではないか」と誤解している 人もいるだろう。真実はその反対で、炭水化物中心の食生活なら インスリンは少量で足りるのだ。炭水化物をたくさん食べると インスリンの働きがよくなるからである。だからこそ、 日本人は1000年以上の長きにわたって、インスリン分泌が 少なくてもなんの不都合もなく過ごしてきたのだ。 肉や脂肪をたくさん食べるようになると、必然的に炭水化物の 摂取量が減少してインスリンの働きが悪くなる。 そのため、インスリンの必要量が増える。 もともとインスリン分泌能の低い日本人が、多量の肉や脂肪を 食べていると、β細胞が身体のインスリン分泌要求に応じられ なくなり、インスリンが相対的に不足して、 やがて糖尿病になってしまうのである。 現在の欧米人は基本的に肉食で炭水化物の摂取量が少ない。 したがってインスリン分泌の要求が高い。彼らのインスリン分泌 能力は高いから、膵臓ランゲルハンス島はどんどんインスリンを 分泌する。インスリンは脂肪を貯めこむ働きがあるので、 インスリンが多くなると肥る。腹まわりが180cmを肥えるかと 思われる男女がアメリカにたくさんいるのは彼らが肉や乳製品を たくさん食べるからだ。お腹に脂肪が貯まるとインスリンの 働きがさらに悪くなる。そこで膵臓のランゲルハンス島が 頑張ってもっとインスリンを分泌するようになる。 これが高インスリン血症である。こうなると、インスリンは 内臓脂肪を蓄積する性質があるため、ますます肥る。 欧米の糖尿病患者の多くは肥満と高インスリン血症を経験している。 ところが、インスリン分泌能の低い日本人・アジア人は、 肥満と高インスリン血症を経験することなく簡単に 糖尿病になってしまうのだ。 佐藤章夫:信州大学医学部卒業。山梨医科大学名誉教授。信頼できる予防医学の研究者。 http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/RiceDiabetes.pdf 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月02日 18時50分50秒
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