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カテゴリ:読書案内「翻訳小説・詩・他」
フィリップ・クローデル「リンさんの小さな子」(みすず書房) フィリップ・クローデルという人のことをぼくは知りませんでした。そのクローデルの「リンさんの小さな子」(みすず書房)という作品は、たしか保坂和志の「試行錯誤に漂う」(みすず書房)というエッセイ集の中で、同じクローデルの「ブロデックの報告書」(みすず書房)いう作品が紹介されていて、読みもしていないのに、この作家の作品を立て続けに買いこみました。その中にあったのがこの作品でした。ぼくは時々そういう本の買い方をするのですが、紹介している人を信用しているか、尊敬している場合に、そういうことが起こります。今回は信用している場合ですね。 「生きる」ということが「いいことだ」 という考え方を支える大切な何かであったことに気づいてゆくのでした。 「リンさんは、戦場の故郷で死ななくてよかった。死んでしまいたかったリンさんを支えたのが、残された小さな子の命を守るという文字どおり必死の思いであったのだが、生きていてよかった。」 そんな気持ちが、自然と湧いてくる二人の関係は実に自然なのです。 傑作! だと思いました。どうぞ、読んでみてください。(S) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.07 21:12:57
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