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文アーサー・ビナード 絵ベン・シャーン「ここが家だ」(集英社)
和合亮一の「詩の礫 起承転転」の中で、「『米美術館、福島だけ貸し出し拒否ベン・シャーン巡回展』によせて」という詩に出会いました。おそらく、2012年の三月にツイートされた150行ほどある全体の、前半60行ほどを、ここに書き写します。 「『米美術館、福島だけ貸し出し拒否ベン・シャーン巡回展』によせて」ちょっと、中途半端な引用で申し訳ありません。福島での開催が予定されていたベン・シャーンの巡回展覧会が、放射能汚染を理由に中止されたことが話題になったことを、ボンヤリ覚えていました。ベン・シャーンという画家についても、そんなに詳しく知っているわけではありません。我が家の愉快な仲間たちが読んだ「ここが家だ」という絵本を知っていただけです。 和合亮一のこの詩に出会って、棚から取り出しました。第5福竜丸といっても、もう知らない人の方が多いかもしれません。1954年、太平洋の果て、ビキニ環礁付近でマグロ漁をしていた日本の漁船の名前です。 追記2019・12・081954年3月1日、漁の最中に、アメリカの水爆実験に遭遇し、23人の船員たちは、全員が死の灰を浴びたそうです。被ばくした船員たちは、全員、放射能病を発症し3月14日に焼津に帰ってきます。 船員たちの最年長、無線長の久保山愛吉さん(40歳)が、9月22日に亡くなります。アメリカの画家ベン・シャーンが、この事件の始まりから終わりまでを絵として描き、アーサー・ビナードという詩人が文を書いたのがこの絵本です。 焼津の 家には おくさんと 9月22日 久保山さんの 心臓は とまった 1954年というのは、今年65歳の、ぼくが生まれた年です。映画「ゴジラ」が生まれた年でもあります。日付を読んでいて、そういえば3月14日はアインシュタインの誕生日だったことも思い出しました。 この絵本を読み返していると、和合さんの「怒り」と「哀しみ」が、よくわかるような気がしました。少し難しいです。でも、小さな子供たちに、読んであげてほしいと思います。(S) 和合亮一の「詩の礫 起承転転」へはここをクリックしてください。 追記2022・05・16 「核兵器」について、「戦争」について、安易というか、ご都合主義というか、1954年にうまれて、「戦後民主主義」・「高度経済成長」の時代を生きてきて、その時その時に、「それはないやろ!」と、のんびり考えてきた「ことば」が、リアルだとか、現実主義だとかいう枕詞をつけて飛び交う世の中になりました。「徴兵」とか「愛国」とかいう「ことば」も、遠慮なく流通しているようです。 「ほんとにいいんですか?」 頭に浮かぶのは、その一言ですが、「ホント、大丈夫ですか?みなさん!」 ボタン押してね! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.05.16 18:07:08
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