ゴジラ老人シマクマ君の日々
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シマクマ君
シマクマ君のゴジラブログへようこそ。今日は図書館、明日は映画館。あれこれ、踏み迷よった挙句、時々、女子大生と会ったりする。大した罪は犯さない、困った徘徊老人。「週刊読書案内」・「先生になりたい学生さんや若い先生にこんな本どう?」・「映画館でお昼寝」・「アッ、こんなところにこんな…わが街」とまあ、日々の暮らしのあれこれ、いたって平和に報告しています。
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山下賢二作 中田いくみ絵「やましたくんはしゃべらない」(岩崎書店) やましたくんは保育園に通うようになったころから、ともだちのまえではひとこともしゃべりませんでした。そのやましたくんの小学校の一年生になった日から卒業する日までの学校でのくらしを描いたのがこの絵本「やましたくんはしゃべらない」です。 やましたくんがしゃべらなかったということは、ともだちはだれもやましたくんの声を知らなかったということです。ともだちはやましたくんがどんな声をしているのか、どうして、ひとこともしゃべらないのか、気になってしかたがありません。 絵を描いているのは中田いくみさんという絵描きさんですが、表紙の絵でわかるやましたくんだけでなくて、ともだちたちの表情も髪の毛の一本一本まで丁寧にえがかれています。 絵を見るかぎり、やましたくんはおこったりいじをはったりしているわけではなさそうです。やましたくんがなぜしゃべらないのかは、結局、わかりません。でも、ともだちたちがやましたくんをどう思っているのかとか、やましたくんの声を聞きたがっていることはとてもよくわかります。 卒業式の日に、名前をよばれたやましたくんは、はじめて、小さな声で「はい。」と返事をしたようです。でも、校長先生には聞こえなかったようです。そのあと、やましたくんがいつからしゃべるようになったのかは、やっぱりわかりません。 今は大人の山下賢二という人になっていて、「ガケ書房」という本屋さんを営んだあと、「ホホホ座」というブックカフェ(?)とかで本を作る仕事をしているようです。 なんだか、大人の絵本のようですが、やっぱりこれは、子供たちに読んでほしいと思いました。 追記2022・05・26 最近、「C'mon C'monカモン カモン」という映画を観ました。大人の質問に上手に答える子供たちと困った顔をして黙って大人をみている子供が出てきました。 「ことば」を上手に使うことが、必ずしも上手に「ほんとうのこと」にたどり着けているとは限らないということをつくづく感じました。 で、こんな絵本もあったことを思い出しました。何十年も「ことば」について教室でおしゃべりしてきましたが、自分の中に「やましたくん」がいることに気づいたのは仕事を辞めてからです。恥かしいような、せつないような気持で、こうして書いています。 今更なのかもしれませんが、それでも「ことば」にこだわりたいと思っているようです。なにを言っているのか自分でもよく分かりませいい(笑)。 ボタン押してね! ボタン押してね!
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