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ティリー(絵)アンナ・クレイボーン(作)「シェイクスピアはどこ」(東京美術)
市民図書館の英国文学の棚の前でフラフラしていて、目にとまった大判の本がこの本です。ティリーという人の絵で、アンナ・クレイボンという人が文を書いていて、翻訳は川村まゆみという方です。「シェイクスピアはどこ?」(東京美術)という絵本でした。 我が家の愉快な仲間がおチビさんだったころ、もう20年以上も前ですが、「ウォーリーを探せ」という絵本が大ヒットして、我が家にもあったはずですが、あのウォーリーのシェイクスピア版ですね。 表紙をご覧になるとおわかりになると思いますが、あのグローブ座を取り巻いている人の中にシェイクスピアがいますね。おわかりですか? イギリスの子供向けの絵本で、シェイクスピアの代表作が10作、絵入りの名場面解説と「シェイクスピアはどこ?」の大画面の組み合わせで、恰好のシェイクスピア入門書になっています。 ライン・アップは「お気に召すまま」・「ジュリアス・シーザー」・「マクベス」・「テンペスト」・「から騒ぎ」・アントニーとクレオパトラ」・「夏の夜の夢」・「ロミオとジュリエット」、そして最後が「ハムレット」です。 たとえばハムレットの名場面のページはこんな感じです。 「To be, or not to be? That is the question.」という有名なセリフの場面は、ハムレットが学友のローゼンクロイツとギルデンスターンと会話していた場面だったような気がしますから、たぶん左のページの左下の場面です。でもね、そのセリフの話は解説のあらすじには出てきません。このセリフにこだわっているのは日本人だけってことはないですよね。でも、そうかもしれませんね。 まあ、もう一つ有名なオフィーリアの水死の場面は右ページの右上です。で、このお芝居に登場した人たちなんですが、ページの上に並んでいます。で、ページを繰ると、ページ全部が戯曲ハムレットの舞台であるデンマークの「エルシノア城あたり」の絵なんです。 それで、この絵の群衆の中にシェークスピアはもちろんのこと、先程の登場人物たちが、ハムレットも、オフィーリアも、父王の亡霊も、みんないるのですよというわけです。 見つけたときには、この絵本が、なんで「英文学コーナー」にあるのだと思ったのですが「これは、シェークスピア好きの大人の楽しみですな」といえないこともないくらい、まあ、手が込んでいるというか、丁寧な絵本なのでした。 まあ、こういう本で遊びながらシェイクスピアに親しむイギリスの子供が少しうらやましいですね。今「忠臣蔵だよ!」でこれをやっても、なんかそぐわないですが、イギリスで「シェークスピアだ!」というと、はまりそうですからね。お芝居ができたのは、同じくらいの時代だと思うのですが、どうしてそうなんでしょうね。「忠臣蔵」なんて、登場人物も名場面も多いうえに、「上野介を探せ!」でぴったりはまりそうなんですがね。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.06.30 00:32:06
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