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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.07.25
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​​G・ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」(新潮文庫) コロンビアノーベル賞作家G・ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」(新潮文庫)を久しぶりに読み返しました。もちろん、話の筋は、すっかり忘れていましたが、読み始めて「ああ、マルケスだ。」という、詠嘆に似た気分が帰ってきました。​​
​ 物語は、おそらく南米の海に面した小さな町が舞台ですが、町を挙げての盛大な結婚式が行われた翌朝、その結婚式にも参列していた金持ちの青年、サンティアゴ・ナサールが、街角で惨殺されるという事件の真相を追った、普通ならミステリーに分類される小説でした。​
 作家、マルケス自身の故郷で起こった、そのうえ、彼自身の家族や親戚も事件にかかわっていたらしい実話が小説化されているらしく、代表作と呼び名も高い「百年の孤独」(新潮社)のような架空の町の物語の構成とは少し違うようですが、読み始めてみると、生きているのか死んでいるのかわからない人物たちが、多層化された時間のなかで証言やおしゃべりをしている様子の描写がつづいていくのは「やっぱりマルケス」でした。
​​​​ 具体例というか、まあ、どこを引用しても同じようなものなのですが、殺される直前サンティアゴ・ナサールが台所であったビクトリア・グスマンというメイドとその娘ディビナ・フローラの証言を「わたし」が記した場面です。​​​​
​ 一方、ビクトリア・グスマンは、サンティアゴ・ナサールを殺そうと待ち受けているものがいることを、自分も娘も知らなかったと断言した。しかし、彼女は年を取るとともに、彼がコーヒーを飲みに台所に入って来たときには、二人ともそれを知っていたことを認めるようになった。五時過ぎに、ミルクを少し恵んでほしいと言って訪ねてきた女からそれを聞いたのだ。その女はさらに、動機や待ち受けている場所さえも教えたのだった。「あたしは人には知らせなかったと、どうせ酔っぱらって言ったことだと思ったものだから」と彼女はわたしに言った。ところが、ディビナ・フローラは、わたしがその後に訪問した折、そのころには母親はすでに亡くなっていたのだが、次のように告白した。彼女の母親は、心の奥底ではサンティアゴ・ナサールが殺されることを願っていたため、彼に何も知らせなかったというのだ。一方、ディビナ・フロールが知らせなかったわけは、当時の彼女は、自分では何一つ決められないおどおどした小娘にすぎなかった上に、死人の手を思わせる、冷たくこわばった手で手首をつかまれたとき、怯えきってしまったからだった。(文庫版P17)

​​ どうでしょう、誰が今生きていて、冷たい手で手首を握ったのは誰なのか、お判りでしょうか。
​引用に出てくる「わたし」が誰かというのは小説の最後にならないとわからないのですが、まあ、解説にも書かれていますので言いますが、30年後に事件を調べ直している「マルケス」自身と目される調査員です。​
 というわけで、上の引用は出来事から30年たって「真相」を描こうとしている男の「記録」というのがこの作品の骨格ですが、最初からその骨組みがリアルにわかるわけではありません。
 読んでいると、30年という時間は、事件の当事者たちにも流れていて、描写される場面、場面に、微妙な「ずれ」を引き起こします。おそらく、その「ずれ」が読むスピードにブレーキを掛けているのでしょうね。どうしてもゆっくり読む、あるいは読み返しながら進むほかない読書ということになります。

 結果的に、いったい何が明らかになり、何が謎として残っているのか、不思議な困惑がわだかまるのですが、それがこの作品の「強さ」なのだと思いました。
 整理して解き明かすことのできる「出来事」などというものはありえないし、今、この時も、そのような混沌の瞬間を生きているということですね。実に堂々たる「わからなさ」です。愉しんでみませんか?(笑)
 それにしても、文庫版表紙のデザインはかっこいいですね。今も、この装丁で販売されていつのでしょうか。



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最終更新日  2021.07.25 00:28:15
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