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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2021.09.05
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​​100days100bookcovers no61(61日目)
​​アゴタ・クリストフ「悪童日記」(早川書房) 科学者の著作が二冊つづいて、SFですね。でも、まだ​「宇宙」​の話なので、​「猿の惑星」​くらいから​「サル学」​​「環境論」​​「原子力」​の話も悪くないと、いつもなら思うのでしょうが、今回は、いきなりジャスト・ミートとする本を読んでる最中で、一発で決まりました。
​ DEGUTIさんが紹介してくれたのが​アーサー・クラーク「幼年期の終わり」​ですから、ぼくは​​
「悪童日記」
​ ​です。ね、ピタリでしょ。というわけで、今回はこの本です。​
 ​アゴタ・クリストフ「悪童日記」(早川ノベル)
​ なんで今頃この本を読んでいるのかといいますと、参加している、読みたい本をみんなで読むという趣旨の読書会あるのですが、そこの若いメンバーが読みたいと言い出して、今月の課題図書だったんです。
 ​1986年​に翻訳・出版されて、「ふたりの証拠」(1988年)「第三の嘘」(1991年)と発表されて、​三部作​が完結していて、その後、​ハヤカワ文庫​に入っています。
 もっとも、今回、久しぶりに読んだのは「悪童日記」だけで、本当は棚のどこかにあるはずなのですが、なかったので市民図書館の本で読みました。​

​​​ ​アゴタ・クリストフ​という人は、ハンガリー動乱の直後、​1956年​に祖国ハンガリーを離れ、オーストリアからスイスへ移り住み、​フランス語で書いていた​女性作家ですが、​2011年​に亡くなっています。    
 ​「文盲」(白水Uブックス)​という自伝に書かれていますが、ロシア語、ドイツ語、フランス語にさらされ、生きていくためにフランス語で表現せざるを得なかった「ディアスポラ」の生涯の中で生まれた傑作が「悪童日記」・三部作ということになるようです。​​​

 日本で出版された当時、かなり評判になった作品ですので、懐かしいと感じられる方が多いと思いますが、ちょっとだけさわりを紹介します。
 おばあちゃん
 おばあちゃんは、ぼくらのお母さんの母親だ。彼女の家で暮らすようになるまで、お母さんに、さらにお母さんがいるとは、知らなかった。
 ぼくらは、彼女を「おばあちゃん」と呼ぶ。
 人々は、彼女を“魔女”と呼ぶ。
 彼女は、ぼくらを「牝犬の子」と呼ぶ。
 おばあちゃんは背が低くて、痩せている。彼女は頭に。黒い三角巾を被っている。着ている服は黒ずんだ灰色だ。古い軍靴を履いている。天気が好ければ、裸足で歩く。彼女の顔は皺と、黒褐色のシミと、毛の生えたイボだらけだ。歯はもうない。少なくとも、外に見える歯はもうない。
 おばあちゃんは、顏も体も決して洗わない。食べたあと、飲んだあとは、三角巾の端で口を拭う。彼女は下穿きを穿いていない。オシッコがしたくなると、その場で立ち止まり、脚を広げて、スカートの下から地面に垂れ流す。もちろん、家の中では、そんなことはしない。
 おばあちゃんの裸は、見たことがない。夜更けに、ぼくらは彼女の寝室を覗いた。おばあちゃんは、スカートを一枚脱いだけれど、その下にもう一枚スカートを穿いていた。ブラウスを一枚脱いだけれど、その下にもう一枚ブラウスを着ていた。おばあちゃんはそういう格好で寝るのだ。三角巾も被ったままだ。おばあちゃんは、めったに口をか行かない。もっとも、夜は別だ。夜になると、彼女は棚の酒びんを取り、ラッパ飲みする。するとまもなく、ぼくらの知らない言葉で独り言を言いはじめる。その言葉は、進駐軍の兵隊が話す外国語でもない。一つのまったく違う言葉だ。
 ぼくらには意味の通じないその言語で、おばあちゃんは自問自答する。時々、笑う。そうかと思うと、怒り、叫ぶ。最後には、ほとんど決まって泣きだす。よろよろと寝室に入る。ベッドに倒れ込む。そしてぼくらは、深夜、彼女が長い間すすり泣くのを聞く。
​ ​​少し長いですが、小説の冒頭近く、双子の少年が預けられた​「おばあちゃん」​の紹介です。小説は、こうして少年たちの日記として綴られてゆきます。場所はよくわかりませんが、二つの進駐軍がやって来て、それぞれ異なった言葉を使います。あとからやって来た進駐軍の言葉は「おばあちゃん」の言葉と同じでした。​​
 時代は、大きな町に爆撃がくり返される戦時下です。二人は、所謂、疎開してきたわけですが、生き延びるために様々なことを学び合いながらも、殺伐とした暮らしをおくっていることが、ウソ偽りなく日記に記録されていくわけです。
 先日ラインのテレビ会話でやった読書会の感想に、面白い発言がありました。
​​「おばあちゃん」という日本語に訳されているけれど、日本語訳で読む作品の印象は「おばあちゃん」という言葉に救われているよね。フランス語でもそうなんだろうか。​​​
​ この発言は、この作品の肝をつかんでいると思いました。たしかに​「祖母」​という記述ではこの作品のよさは半減しそうなのです。まあ、そのあたり、興味をお持ちになった方は、本書をお読みいただければと思います。
 もうひとつ、話題になったのは、少年たちが目にし、経験もする「性」にかかわる描写のあけすけさ、異常さ、極端さ、残酷さでしたが、その話が出て思い出したことがありました。
​ 最近、映画を見て、原作も読んだ​「異端の鳥」(1965年・2019年映画化)​という作品です。こちらの作品はポーランドの少年が疎開した話ですが、残酷シーンの描き方がとてもよく似ています。進駐軍による性的狼藉もそっくりといっていいでしょうね。東部ヨーロッパの農村地帯が舞台として設定されているらしいことも、魔女と呼ばれる老婆が、かなり重要な役柄で登場するのもよく似ています。面白いのは、原作は「異端の鳥」のほうが古いのですが、映画になったのは「悪童日記」(2014年)の後なのですね。​
 映画化された​「悪童日記」​にも興味がありますが、どなたかご覧になっているのでしょうか。
 ああ、最後になりましたが、この作品ですが、少年たちにもおばあちゃんにも、もちろん、名前はありません。
 それではYAMAMOTOさん、お次をよろしくお願いします。​(SIMAKUMA・2021・01・26)​

追記2024・04・01
 ​100days100bookcoversChallengeの投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録 ​(1日目~10日目)​​ (11日目~20日目) ​​​(21日目~30日目) ​​​(31日目~40日目) (41日目~50日目) ​​(51日目~60日目))​​ (61日目~70日目) (71日目~80日目)​という形でまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと​備忘録が開きます。​​​​​​​​​

​ 追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​


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最終更新日  2024.04.01 22:38:10
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