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カテゴリ:読書案内「翻訳小説・詩・他」
リービ英雄(英訳)・中西進(日本語現代語訳・本文)・井上博道(写真)
「 Man'yō Luster万葉集」(パイインターナショナル) 日本語で書く作家リービ英雄の万葉集英訳の仕事については、「英語でよむ万葉集」(岩波新書)について、すでにご案内していますが、 「全米図書賞を受けたという全訳の仕事は翻訳・出版されていないのかな?」 と思って探していて、この本に出合いました。 パイインターナショナルという、聞いたことのない本屋さんから出ている万葉集フォト・ブックの趣の、大きさは文庫版ですが、紙質も少し厚手で、400ページ近い分厚い本です。 英訳は、もちろん、リービ英雄で、現代語訳は中西進、井上博道という人の写真が歌のイメージと重ねられて編集されている美しい本です。 お出かけのカバンの隅に入れて、電車の中でぼんやり覗くのにもってこいですが、少々重くて、価格も1900円ですからお高いかもしれません。 ちょっと開くとこんな感じです。 By Kakinomoto Hitomaro,when Crown Prince Karu sojourned on the field of Aki で、つぎのページにこういう写真です。 ぼんやり眺めるのに最適でしょ。 本書の事実上の著者、英訳者のリービ英雄は巻頭の「万葉の艶」という文章をこんなふうに締めくくっています。 翻訳しても翻訳しても、驚きは消えなかった。 電車の話に戻れば、光が差してくる窓のブラインドを下ろして、スマホを覗くのに夢中になっている人たちのうつむいた姿が、ずっと並んでいるというのが日常の光景になって久しいですが、そんな中で「万葉集」とか英語でたどたどと読んでいるなんていうのは、世間ずれの程度が、ちょっといいと思いませんか? 万葉集は新しいのです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.28 13:43:45
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