トーマス・アルフレッドソン「裏切りのサーカス」シネリーブル神戸 2024年の2月の最後の週は「ギャガ・アカデミー賞受賞作品特集上映」鑑賞週間と腹をくくって通っているのですが、7本目は2011年だかにノミネートで終わったらしいのですが、この企画の人気投票で残ったトーマス・アルフレッドソン監督の「裏切りのサーカス」でした。 企画のこのチラシを見るまで監督も作品も知らなかったのですが、
「サーカス?ひょっとしてあれ?」
と思いついてシネ・リーブルに出かけたのですが、
大当たり!
でした(笑)。
1980年代だったと思いますが、イギリスの作家ジョン・ル・カレが、ボクの中では大ブームでした。「寒い国から帰ってきたスパイ」(ハヤカワ文庫)が始まりでしたが、ジョージ・スマイリー三部作(五部作?)「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」「スクールボーイ閣下」「スマイリーと仲間たち」(それぞれ早川書房、今はハヤカワ文庫)は大好きでしたね。これら、ル・カレの一連の作品ではイギリス諜報部、007映画では「M」と通称されているあれですが、あれが「サーカス」と呼ばれていて、思い浮かんだのはそれでした。
で、映画です。サーカスの主任コントロールが残したチェスの駒が映し出されるのを見て
「よし、これや!」
でした。
ゲイリー・オールドマン扮するジョージ・スマイリーにホレボレでした。こういう気分で映画を見るのは久しぶりですね。
考えてみれば、不思議です。原作の小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(早川書房)に浸ったのは30年以上も昔で、2020年にル・カレが亡くなったニュースをネットで見た時に、偶然、読んでいたのが「地下道の鳩」(ハヤカワ文庫)という回想録でしたが、何となく読み終えることが出来ないまま、いつの間にか同居人が読み終えて棚にもどったままの今なのですが、
目の前のスクリーンにいるジョージ・スマイリーが懐かしくってしようがないのです。
顔立ちも(俳優さんなのですが)、物腰も、喋り方も、そして、発される言葉も(英語なんかわからないのに)、ボクが知っている、あのジョージ・スマイリーなのですね。
見終えて、しみじみしました(笑)。文句なし、拍手!ですね。
チャーチルだった俳優さんゲイリー・オールドマンとか、吃音に苦しんだ国王だったコリン・ファースとか、天才数学者だったベネディクト・カンバーバッチとか、ここのところお出会いして顔なじみの方々が、みなさん
スパイとして勢ぞろい!(笑)
で登場していらっしゃって、結構、笑えるところもあるのですが、イギリス映画らしい、どっちかというと地味ですが、落ち着いた作品で、その点も、まあ、
ボクの好み!
でした。というわけで、もう一度拍手!です。
監督 トーマス・アルフレッドソン
原作 ジョン・ル・カレ
脚本 ピーター・ストローハン ブリジット・オコナー
撮影 ホイテ・バン・ホイテマ
美術 マリア・ジャーコビク
編集 ディノ・ヨンサーテル
音楽 アルベルト・イグレシアス
キャスト
ゲイリー・オールドマン(ジョージ・スマイリー)
キャシー・バーク(コニー・サックス)
ベネディクト・カンバーバッチ(ピーター・ギラム)
コリン・ファース(ビル・ヘイドン:テイラー)
スティーブン・グレアム
トム・ハーディ(リッキー・ター)
キアラン・ハインズ(ロイ・ブランド:ソルジャー)
ジョン・ハート(コントロール)
トビー・ジョーンズ(パーシー・アレリン:ティンカー)
デビッド・デンシック(トビー・エスタヘイス:プアマン)
サイモン・マクバーニー(レイコン次官)
マーク・ストロング(ジム・プリドー)
スベトラーナ・コドチェンコワ(イリーナ)
2011年・127分・R15+・フランス・イギリス・ドイツ合作
原題「Tinker Tailor Soldier Spy」
公開日 2012年4月21日
2024・02・28・no033・シネリーブル神戸no233
追記
ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)