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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
瀬田なつき「違国日記」シネリーブル神戸 予告編を見て、
さてどうしたものか?? とためらっていると、看護士をなさっている、お友達の女性からメールが来て、 「見ましたか?見ませんか?」 ということなので、結構、イソイソ出かけました。 見たのは瀬田なつきという、多分、お若い、女性監督の「違国日記」でした。 「違国日記」ってなに? どういう意味? まあ、原作のマンガの題がそのまま使われているのでしょうね。見終えても、判然とはしませんでしたが、ひょっとしたら、主人公の一人、高校生のアサちゃんが、作家であるおばさんにすすめられてつけ始めたノートのことかなと思いましたが、まあ、確かではありません(笑)。 映画と関係があるか、ないかわかりませんが、この映画の、 少女がオバサンにすすめられて「日記」を付けるという設定は、乗代雄介という作家がデビュー作「十七八より」(講談社文庫)以来、「最高の任務」(講談社)あたりまで、何作か書き続けている、阿佐美景子という女性を主人公にして、彼女の日記を小説化している作品群とよく似ていると思いました。 映画では、両親に死に別れた少女である田汲朝ちゃんが、母親の妹で、母親とは、お互いに、互いの生き方を否定しあっていた、叔母で、小説家の高代槙生と暮らし始めるという設定でしたが、小説では「日記」を勧めた叔母は、すでに死んでしまっていて、主人公は両親や弟という家族と、平凡な日常を生きているというところが違うのですが、阿佐美景子という主人公の、小学生以来つけている、毎日の「日記」の書き出しが 「あんた誰?」 というところが、おもしろい作品なのです。 で、映画を見ながらそれを思い出した理由はというと、この映画の主人公の二人をはじめとする、人と人の関係性の描き方を見ていて、登場人物たちが、朝ちゃんと槇生さんはもちろんですが、同級生の少女たちも、お友達の奈々さんや、信吾君、ああ、それから、おばあちゃんまでもが、自らに対して 「あんた誰?」 という問いかけをすることで成立する 「私」 として、他者と出会っている印象で、そこがこの作品の新しさだというように感じたからですね。 たとえば、主人公の朝ちゃんは、いかにも天真爛漫な様子で描かれていますが、自らに 「あんた誰?」 と問いかけることで、両親に死なれてしまった不幸な少女を、ではなく、天真爛漫な少女を生きようとしてる、実は、かなりしたたかな少女だと感じましたね。 作中、確か、二度ほど映し出される、朝ちゃんが佇む、いや、渡るかな。跨線橋のシーンを見ながら、瀬田なつきという若い監督が、あらゆる人間が絡めたられてしまいがちな関係性の網のようなものを跨ごうとしている意欲のようなものを感じて、好感を持ちましたね。 ああ、映画には日記をつけるシーンはありますが、 「あんた誰?」 なんていうセリフは、一度も出てきませんからね。もちろん、ボクの妄想ですよ(笑)。 見終えて、原作マンガで「こころを救われた」かどうだか知りませんが、チラシにあったから書きましたが、一緒に見た彼女がおっしゃってました。 「マンガに比べて、なんか軽くて、拍子抜けしました(笑)」 さて、それで? という感じの映画でしたが、瀬田なつきという監督には期待を込めて拍手!でした(笑)。 結局、「違国日記」の意味は解りませんでしたが、一緒に見た彼女に教えられて、新垣結衣さんのお顔は覚えました。もっとお若い人だと思い込んでいましたが、お若い早瀬憩さんとともに、とりあえず拍手!ですね。 監督・脚本・編集 瀬田なつき 原作 ヤマシタトモコ 撮影 四宮秀俊 照明 永田ひでのり 録音 髙田伸也 美術 安宅紀史 田中直純 衣装 纐纈春樹 ヘアメイク 新井はるか 音楽 高木正勝 音楽プロデューサー 北原京子 劇中歌作詞作曲 橋本絵莉子 キャスト 新垣結衣(高代槙生・叔母・小説家) 早瀬憩(田汲朝・姪・高校生) 夏帆(醍醐奈々・槙生の幼馴染) 小宮山莉渚(楢えみり・朝の同級生) 中村優子(高代実里・槙生の母・朝の祖母) 伊礼姫奈(森本千世・優等生) 滝澤エリカ(三森・軽音部) 染谷将太(塔野和成・弁護士) 銀粉蝶(高代京子・槙生の姉・朝の母) 瀬戸康史(笠町信吾・槙生の男友達) 2024年・139分・G・日本 2024・06・22・no078・シネリーブル神戸no251 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.24 23:30:41
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