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ゴジラ老人シマクマ君の日々

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2024.07.12
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​立花隆「思索紀行 下」(ちくま文庫)​
 先に上巻案内をしたのですが、あれやこれやで下巻案内が遅れていました。昭和を代表するジャーナリストというような言い方をするのは、少し大げさでしょうか。もっとも、生前には「知の巨人」とかとも呼ばれていた人ですからね。もともと「文藝春秋」という雑誌の記者として出発した人で、興味の持ち方がジャーナルというか、その時的というか、大衆が何に関心を持っているのか、あるいは、持つべきなのかというあたりで、傑出していた人だとボクは思います。
 その時代の大衆の一人として、彼の取材記事、著作、インタビュー、に最後まで関心を持ち続けた理由はいくつかありますが、まず、彼が専門領域に入っていくときの
​​素人の眼差し!​​
​ の新鮮さです。そして、知ったかぶりを振りまわすことなく
​​​​もう一歩奥まで、という関心の執拗な深さ!​
​​​​​ たどり着いた深みからの報告に徹しているかの​​
​気取らない文体!​
​ で、読み手に対しての
​「専門領域への案内」の丁寧さ!​​
​ ですね。
 「サル学」であれ、「宇宙」であれ、彼にうながされて読んだ本は、それぞれハズレのない面白さが特徴ですが。残念ながら2021年に亡くなった方です。
 で、本書ですが、下巻での、今、現在の読みどころは、下の目次で「パレスチナ報告」と、まとめられている4本の現場報告ですね。
 最初の「パレスチナ報告」1974年、あの「諸君」という雑誌に掲載された記事ですが、
​アラビア語との出会い​
​ から報告しています。
 ​他の言語と比べて、アラビア語の最も特異な点は、文語と口語が画然とちがうことである。この場合、日本語でいう文語と口語を想像されると困る。アラビア語の文語は古典語、すなわちコーランのアラビア語がその範とされることばである。コーランのアラビア語といえば、七世紀のアラビア語である。同時代の日本ではまだ古事記も万葉集も成立していない。この時代のことばで、いまだに生きて用いられつづけていることばといったらアラビア語をおいてないだろう。
​​ ​「アラビアのロレンス」も見たことがあるし、「アラジンの魔法のランプ」も子供の頃から知っているわけですが、しょせん、イギリスの俳優がかっこいい映画とか、ルイ14世の時代のフランス人が喜んだ昔話のなかで、​​
​知ったつもりのアラブ​​
 ​​​なのですね。だいたい、アラビアンナイトペルシャの話ですからね。
​ペルシャとアラブの違い​​
​ だって、あやふやなわけです。そういうわけで、たとえば、アラビア語がどういう言葉なのかなんて、全く知らないわけで、ことばの具体的な姿に限らず、アラビア語という言葉が世界地図のどこで話されていて、その言語圏の、​​​
​​どこがパレスチナなのか?​​
 ​実は何も知らないわけです。
​ で、まず、口語のアラビア語について、立花隆はこう続けています。​​
 口語のアラビア語は地域によって大幅にちがう。発音はもちろん、単語の意味やいいまわしまでちがってくる。隣接した地域ならともかく、北アフリカとイラクのように離れたところだと、まず口語によるコミュニケーションは不可能である。大ざっぱにいって、北アフリカ、エジプト、東アラビア、メソポタミア、湾岸諸国、アラビア半島のアラビア語はそれぞれちがうことばであると思っていただいてよい。
 にもかかわらず、アラブ諸国間の国際会議が通訳なしで通じるのは何故か。
 そこで、語られるのは文語だからである。いわば文語アラビア語は、中世ヨーロッパ社会におけるラテン語のような位置を占めているわけである。
 ​​で、その文語アラビア語の特徴はというと​
 第一に、コーランに始まる一三〇〇年余のアラビア文学の遺産が、単語やいいまわしの隅々まで生きているということだ。これは日本でも近世までは会ったことだ。浄瑠璃の詞など、和漢の古典が驚くほど精緻に織りなされている。その後、日本語は古典から切断されてしまったので、現代日本語、ひいては現代日本文学は、言語表現という点では恐ろしく貧弱なものになってしまったのだが、これは別の話だ。
 だから、アラビア語をその含蓄、ニュアンスをも含めて翻訳するのはほとんど不可能といってよい。(P22)
 ​​​で、その翻訳不可能性の理由として解説されるのが、アラビア語の音韻構造です。アラビア語の特徴の二つ目は音だということですね。​​
 詳しい話は省きますが、こんなふうに結論付けます。
 西洋の伝統においては、ことばはロゴスに他ならないのだが、アラブにおいては、ロゴスはことばの一部でしかない。ロゴスに音楽性がかきたてるパトスが加わってはじめて、ことばはことばとして意味を持つ。
 ところが翻訳という操作は、ロゴスを移すことはできても、このパトスを移すことはできない。だから、コーランはいまにいたるも世界のどこのイスラム教徒でもアラビア語のまま用いている。各国語の翻訳もあるにはあるが、それは異教徒が読むもので、イスラム教徒が読むものではない。翻訳でコーランを読む異教徒は、本人はわかったつもりでも半分もコーランの意味が理解できないはずだという。(P24)
 と、まあ、こういう調子なのですが、このあたりは、1974年当時「諸君」という、保守系の雑誌に、多分、連載で掲載された「パレスチナ報告」のさわりにすぎません。
 井筒俊彦という碩学が「コーラン」(岩波文庫)の翻訳に際しての苦労話を、どこかで読んだ記憶がありますが、
​なるほど、そうか!​​
​ という気分で読み始めましたが、ここからは1970年当時のパレスチナに関して、シオニズム以来の歴史と現状、錯綜する政治・社会を入念に解説しながらのレポートで、2024年の今読んでも、まったく古びていないという印象でした。
 たぶん、現地では、古びない苛酷な現実が半世紀にわたって続いているということもさることながら、たとえばボクのような、無知で、無関心で、無責任な人間の、無理解が、何の深まりもないまま50年続いているということでもあるのでしょうね。

 「パレスチナ報告」の次に所収されている「独占スクープ・テルアビブ事件」は、1972年「週刊文春」に掲載された、拘留中の岡本公三に対する独占インタビュウーの記事ですが、岡本公三が、日本赤軍の兵士として、1972年、テルアビブの空港で銃を乱射し、20数名を殺し、100人近くの人にけがを負わせた三人組のうち、だた一人生き残った日本人であることを、今、とっさに思い浮かべることができる人はいるのでしょうか。ついでにいえば、事件から50年たった今、彼はレバノンで生き延びているということなんて、ほとんど知られていないでしょうね。
 2024年現在、ガザ空爆が繰り返されている現実に心を痛める人は、世界中にたくさんいて、ボクもその一人ですが、たとえばこの本あたりから、無関心、無責任からの脱却を図ってみるのも一つの手立てかもしれませんね。
目次
1 パレスチナ報告
第1章「パレスチナ報告(1972「諸君」)」
第2章「独占スクープ・テルアビブ事件(1972「週刊文春」)」
第3章「アメリカの世論を変えたパレスチナ報道(1988「週刊現代」)」
第4章「自爆テロの研究(2001「文藝春秋」)
2 ニューヨーク研究
第5章「ニューヨーク’81(1981「くりま」)
第6章「AIDSの荒野を行く(1987「ペントハウス」)




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最終更新日  2024.07.13 13:15:32
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