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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
ジミー・T・ムラカミ「風が吹くとき」シネリーブル神戸 1986年ですから、古い、イギリスのアニメです。日本では1987年に公開されて、評判になったそうですが、ボクは見ていませんでした。
「これって、愉快な仲間たち、子供のころ見たのかな?」 で、やってきたのはレイモンド・ブリッグズの原作で、ジミー・T・ムラカミという、日系の人らしい監督のアニメ、「風が吹くとき」です。 映画が始まって、主人公の老夫婦がおしゃべりを始められてのけぞりました。森繁久彌さんと加藤治子さんのご夫婦でした(笑)。 英語版だとばかり思いこんで座っていたのですが、今回のリバイバル上映は日本語吹き替え版でした。ちなみに、日本語版を監督したのは、あの、大島渚監督だそうです。 森繁さんも加藤さんも、ご長命でしたが、もういらっしゃいません。大島渚もジミー・ムラカミもこの世の人ではありません。ムラカミさんは、1933年生まれの、日系アメリカ人2世だそうですが、アイルランドで2014年に亡くなったそうです。まあ、見終えて、そういうことを調べていて、何だかしみじみしてしまいました。 ああ、忘れてはいけませんね。原作者のレイモンド・ブリッグスも2022年に亡くなってます。 で、映画にもどります。ラジオや新聞が伝える世界の様子や、公共のパンフレットが教える世間のルールに、あくまでも従順に、健康保険や年金を気にしながら、老後を暮らすジムとヒルダという、イギリスの田舎の村に暮らす老夫婦が、突如起こった核戦争の風にさらされて、 自分たちが、なぜ、こんなふうになるのか、全くわからないまま、風にさらわれていくかのような作品でした。 絵本版と同じ展開の悲劇です。ただ、映画には、絵本には、多分、なかった 風に舞うタンポポの夢のようなシーン が二度あったと思いますが、印象的でしたね。監督による、登場人物二人に対するいたわりのシーンのように思えました。 森繁さんと加藤さんの演じる老夫婦のセリフは、名人二人の読み聞かせになるのかなと、まあ、それはそれで楽しみにしていていましたが、抑揚を殺した、やはり、 名人芸のセリフ回し!で、世界の片隅で、今ふうの方から見れば、世界についても、科学的知識についても、無知蒙昧の暮らしを、最後まで淡々と暮らしていく人間の姿を演じ切っていらっしゃいました。スゴイものです。拍手! で、ちょっと本音をいえば、ホントは英語版を見たかったんです。たとえば、音楽はピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズで、主題歌はデビッド・ボウイなのですが、森繁さんと加藤さんの声とは、ちょっとチグハグですよね(笑) それから、このジムとヒルダの暮らしぶりを無知による愚かしさとして感じる方もいらっしゃるようですが、果たしてそうなのでしょうか? たとえば、福島の原発事故やコロナの蔓延とワクチン騒ぎの中で無知でなかった人間はいたのでしょうか?中東では爆撃やミサイル攻撃、戦争状態が続いていますが、そこに暮らす、普通の人たちの中に、ミサイルにいかように対処すべきかの、有効な知識を持って暮らしている人がいるのでしょうか? ジムとヒルダの、一見、哀れな生活のリアルは、ボクたち自身の生活のリアルとどこが違うというのでしょう。二人に吹き付けてきた風はいまも吹いているのではないでしょうか? 「37年の時を経て、あの時の風はまだ吹いている」 まあ、チラシのコピーの意図は知りませんが、 風は吹き続けていて、他人ごとのように、それに気づかない無知蒙昧の世界が広がっている。 のかもしれませんね(笑)。 監督 ジミー・T・ムラカミ 日本語吹き替え版監督 大島渚 製作 ジョン・コーツ 製作総指揮 イアイン・ハーベイ 原作・脚本 レイモンド・ブリッグズ 音楽 ロジャー・ウォーターズ 主題歌 デビッド・ボウイ キャスト(英語版) ジョン・ミルズ(ジム) ペギー・アシュクロフト(ヒルダ) 日本語吹き替え版 森繁久彌(ジム) 加藤治子(ヒルダ) 田中秀幸(ロン) 高井正憲(アナウンサー) 1986年・85分・イギリス 原題「When the Wind Blows」 1987年7月25日(日本初公開) 2024・08・02・no098・シネリーブル神戸no259 追記2024・08・04 ついでなので、ジージの絵本、「風が吹くとき」も、覗いてみてくださいね(笑)。 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.04 13:01:42
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