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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
カン・ジェギュ「ボストン1947」シネリーブル神戸 予告編を見て
「えっ?これは見るぞ!」 でした。理由は孫 基禎です。1936年ナチス政権下のベルリンで開催されたオリンピックのマラソンの覇者です。「前畑ガンバレ!」とか、リーフェンシュタールの記録映画とか、まあ、やたらに話題の多いオリンピックですが、 「日本」の選手としてマラソンで優勝した孫 基禎という選手について、初めてその名を知ってから、よくわからないまま関心を持ち続けて60年です。見たのはカン・ジェギュ監督の「ボストン1947」です 見終えて、もちろん、納得でした。 1936年のベルリン・オリンピックで走ったソン・ギジョン(孫 基禎)とナム・スンニョン(南 昇竜)、1947年のボストンマラソンで驚異の走りを見せたソ・ユンボク(徐潤福)の三人の姿を、日の丸から太極旗への歴史を背景に、実にコミカルに、且つ、手に汗握る 「スポコンドラマ」として描いたエンタメ調社会派ドラマでした。 韓国では、きっとウケたでしょうね。国を奪われて「日の丸」をつけて走らなければならなかったソン・ギジョン(孫 基禎)とナム・スンニョン(南 昇竜)の二人の「太極旗」への思いを、日帝支配からの解放後の朝鮮の若きランナー、ソ・ユンボク(徐潤福)が、見ているこちらが、思わず応援したくなる奮闘ぶりで実現するという盛り上げかたは、まあ、マンガ的ではあるのですが、ゴールした瞬間、思わず拍手したくなる展開で、 ハイ、よくできていましたね(笑)この青年です。 かわいいですねえ(笑)。いや、ホント、拍手!でしたよ。 ただ、見終えて、ハッとしたのは、1947という数字でした。 1945年に、植民地として支配していた大日本帝国からは解放されていたのですが、大韓民国が独立宣言するのは1948年で、1947年の、この時には朝鮮半島はソビエト軍とアメリカ軍によって分割され、それぞれ軍事統治されていた、映画の中の言葉でいえば「難民国家」だったのですね。 4・3事件をはじめとする内戦・内乱状態が始まろうとしていた、ちょうどその頃のことで、朝鮮戦争が勃発したのが1950年ですから、再びの戦争の3年前の出来事ですね。 この映画で、ソ・ユンボク(徐潤福)の表彰式でうたわれる愛国歌が蛍の光のメロディだったのですが、あの歌のメロディは李承晩の大韓民国の国歌のメロディではありませんね。登場人物たちが明るく歌うシーンとは裏腹に、あそこにも、朝鮮半島のの現代史の哀しみが流れていたのですね。 登場人物たちを、どちらかというと、明るいマンガ的キャラクターとして描くことで観客の「ガンバレコリア」という素直な共感を呼び起こしながらも、 歴史を見失わない構成 はさすがですね。つかの間の平和なのですね。 このカン・ジェギュという監督、ただものじゃないな!? まあ、そんなことを考えながら帰ってきて驚きました。まあ、ボクは噂しか知らないのですが、あの、伝説の傑作、「シュリ」の監督なのですね。この秋リバイバル上映されるようです。見ないわけにはいきませんね(笑)。とりあえず、三人のランナーと監督に拍手!でした。 監督・製作・脚本 カン・ジェギュ 製作 チャン・ウォンソク 脚本 イ・ジョンファ 撮影 チェ・チャンミン 美術 パク・イルヒョン 編集 パク・ゴクジ 音楽 イ・ドンジュン キャスト ハ・ジョンウ(ソン・ギジョン孫 基禎) イム・シワン(ソ・ユンボク徐潤福) ペ・ソンウ(ナム・スンニョン南 昇竜) キム・サンホ(ペク・ナムヒョン) パク・ウンビン(オクリム) 2023年・108分・G・韓国 原題「1947 보스톤」「Road to Boston」 2024・09・06・no116・シネリーブル神戸no267 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) ( お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.07 11:20:18
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