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カテゴリ:映画「シネリーブル神戸」でお昼寝
オタール・イオセリアーニ「蝶採り」シネ・リーブル神戸 オタール・イオセリアーニの特集に通っています。今日は「蝶採り」、1992年の作品だそうです。
フランスの古い城館で余生を過ごす2人の老婦人が主人公でした。なんともいえない、いい雰囲気のお二人で、お二人が森でピストルを撃つとか、オーケストラに楽器を持って出かけるとか、ヨーロッパが階級社会の歴史を、生活感で残していることにポカーンとしながらも、彼女たちの人生の余裕というか、広さというかを、なんとなく羨ましく思って見ていると、バブル景気の日本から、城を買いたいとビジネスマンがやって来るんですよね。 今となっては、 いかにも、90年代! なのですが、無思想、無節操な金の亡者に服を着せるとこうなるというかの、異様なリアリティを漲らせながら登場します。なんというか、ジョージアからパリに来て映画を作っているヨーロッパとかの人たちには 「これが日本人!」 なのだと思うと、ちょっと笑えないですね。 アジアの、だから韓国とか中国とかの、チョット歴史がらみの映画に出てくる日本人というのが、 ああ、いやだなあ! と、感じるように表現されているのは、まあ、仕方がないなと思うのですが、こういう、ヨーロッパでも、どっちかというと田舎風のノンビリしたの映画に、 いかにも金の亡者の姿で登場するのが「日本人!」 なのだったということを、まあ、30年ほどたってはいますが、日本の人は思い出しておく方がいいのでしょうね。 映画は解説にある通り 「滅びゆく古き良き時代へのノスタルジーをにじませながら」、現代社会が捨てていきつつある何かを、一抹の寂しさを漂わせながら「シニカルに描いた」作品 でした。 経費が掛かって、世話が焼けることばかりが「老人問題」とか、「高齢化社会」とかレッテルを張って話題になるご時世です。映画がつくられてから30年以上経って、立派な老人になってしまった2023年の今、こういう作品を見ながらだから、余計にそう感じるのでしょうが、年をとった人が、その人生において、受け取って来たものが、こうして消えてゆくことに対してイオセリアーニという人の ナイーブな視線 にホッとさせられる映画でした。監督イオセリアーニと二人のオバーちゃんに拍手!でした(笑)。 監督 オタール・イオセリアーニ 製作 マルティーヌ・マリニャック 脚本 オタール・イオセリアーニ 撮影 ウィリアム・ルプチャンスキー 美術 エマニュエル・ド・ショビニ 音楽 ニコラ・ズラビシュビリ キャスト ナルダ・ブランシェマリ(アニエスのいとこの老婦人) アレクサンドル・チェルカソフ(公証人アンリ・ド・ランパデール) アレクサンドラ・リーベルマンマリ(アニエスの妹エレーヌ) エマニュエル・ド・ショビニ(神父) ピエレット・ポンポン・ベラッシュ(家政婦ヴァレリー) タマーラ・タラサシビリマリ(アニエス・ド・バイオネット) 1992年・118分・フランス・ドイツ・イタリア合作 原題「La chasse aux papillons」 日本初公開 2004年6月19日 2023・03・14-no040・シネ・リーブル神戸no187 追記 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で楽天IDをお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑) ( お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.19 23:07:55
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