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2010.04.22
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カテゴリ:枕草子
  ツツジ2
ツツジ

六位蔵人というものは、次のようなことは決して望んではならない。
出世した人が、どこぞの狭い家に住んで、簡素な小さい垣根など作って、車庫に自分の車をとめて、前庭に牛を繋いで草など喰わせている有様は、腹立たしい。
庭を隅々まで掃除して、貧相な簾を掛けわたし、布の襖を張らせて住んでいる。夜はしっかり門の錠を掛けさせたりしているのは、将来性がなく気に食わない。
親の家や舅の家は言うまでもなく、伯父、叔父や兄の別宅、そういう人が居なければ親しい受領の家が空いている、または院や宮が建てた邸で空いている所を探して買い取り、もっと高い官職を得てから立派な邸を探して買い取ることこそ、六位蔵人あがりとして良い振る舞いだ。
女が独りで住む所は、ひどく荒れ果てていて、池には水草が生い固まり、庭には蓬がぼうぼうに茂っているとまでではなくても、ところどころに雑草が見られ、いかにも寂しげなのが、しみじみした感じだ。
しっかり者らしく、庭に手入れをして、門をきっちり閉じて、何もかもきちんとし過ぎているのは、何となく厭らしい感じがする。






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最終更新日  2010.04.23 16:25:28
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