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カテゴリ:枕草子
アッツザクラ 宮仕えの女の局(部屋)に通って来る男が、そこで物を食べることは良くない。 食べさせる人も腹立たしい。 そういう場合、男は女が「どうぞ」などと情を込めて言うのを、嫌がって顔をそむけるわけにはいかないので、仕方なく食べるのだろう。 ひどく酔ってやって来て、どうしようもなく夜が更けてしまって、泊って夜が明けても帰らなかったとしても、その朝に湯漬けでさえ食べさせてはいけない。 それによって、「愛想がない女だ」と思われて、来なくなったとしたら、それはそれで良い。 女の実家などで、母親の方から食事を出した場合は仕方がないが、それさえやはり良くないことだ。 当時の貴族社会では、食べるということは高い文化価値が認められることではなかったらしい。 物語などでも、宴会の場面は良く出てくるが、食べる場面はめったに出て来ない。 食べないことが美であって、食べるということは卑しいことだった。 清少納言は、食べる男よりも、食べさせる女をより強く批判している。 現在でも、人間の一番醜い姿は、物を食べている姿だと思う。 そして一番みっともないのは、食べた結果のトイレをしている姿。 最近のテレビに出演している人々は、卑しい人ばっかり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.14 08:19:23
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