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カテゴリ:気になった映画・ドラマ
アンダンテ 稲の旋律 隣の町の文化センターで映画会が催された。 映画館の上映もいいが、こうしたホールでの上映会もいいもんだ。 JAが後援していて、ここの組合員さんは半額で見られるとあってか会場は満員である。周りの席はほとんどがご婦人方で、ご近所同士といった雰囲気で始まる前から和気あいあいとしているのも映画館と一味違う雰囲気だ。 この映画は、原作者の旭爪あかねが自らの対人恐怖の苦しみや、ひきこもり生活の体験を元にした小説を山田耕大が脚本化し金田啓が監督したもの。 映画の主人公「千華」は、対人恐怖症でひきこもりの30歳の女性。幼い頃から母親の押し付け的な期待で音楽の道を歩むが、やがて自分自身を見失い大学を中退してしまう。中退後、アルバイト生活に入るが長続きせず、仕事を転々とする生活を繰り返し、ついには家に閉じこもりがちになり、日毎、両親とのいざこざが絶えなくなってしまう。たまたま外出した折りに、途方に暮れて乗った電車がいつしかのどかな田園地帯を走っている。揺れる夏の緑の稲に誘われるように、とある片田舎の駅に降り立ち、田んぼに「誰か私を助けてください」と書いた紙切れをペットボトルに詰めて置いてくる。暫くして、ペットボトルを拾った米農家の「晋平」から手紙が届く。こうして二人の交流が始まる。無駄の多い効率性とは相容れない農作業の体験を通して、人それぞれに合った速度でゆっくり歩めばよいことを知り、新たな立ち直りの道を見出していく。 2時間の映画の中に家族関係、農業問題、女性の自立などの問題が盛りだくさんにあって、いろいろと考えさせられた。 何よりも、野良仕事の大変さや忙しさにかまけて、このところ映像に映し撮られた作物の美しさを見失っていたように思う。こんなにも素敵な稲や野菜を育てていたんだと気付かされた。 原作を読みたくなった。もともとはNHKラジオで原作者の話を聞いたのが観るきっかけだったので、ぜひ原作は読みたいと思っていた。図書館に予約しておいたら、『稲の旋律』 は一ヶ月後だそうで、その前に続編に当たる 『風車の見える丘』 と完結編の 『月光浴』 が先に届いてしまった。続編、完結編を読んでから最初に戻るのもいいかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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