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2007.05.05
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カテゴリ:映画
マリー・アントワネット


監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン

噂どおり、キュートで可愛い。
映画全体を通して、インテリアも衣装もお菓子もパステルカラーのイメージで統一。
音楽も、もちろんクラッシックも使われてるんだけど、ニュー・オーダーやザ・キュアー、
スージー&ザ・バンシーズなど、パンクやニュー・ウェーヴが流れ、それが妙に合ってる所もいいv
オープニングのタイトル・ロゴがセックス・ピストルズのアルバム「勝手にしやがれ」のロゴを真似したようなのにはまあ、ここまでやるのね~とか思ってしまいましたが(^^;)

14歳で政略結婚により他国に嫁がされ、
そこでは自由の一つも無く、周りは嫉妬やスキャンダラスな噂ばかりの世界。
夫とは趣味も会話もあわず、夜の営みもなし。
なのに子供が出来ないのは妻のせいのように言われ続け・・。
(ダイアナ妃や、雅子さまをどうしても思い出してしまいます;;)

心の寂しさをおしゃれやお菓子やシャンパン、享楽に酔いしれてしまうアントワネット。

嫁ぐ前日まで飼い犬と一緒に寝ていたような子供なのに(この犬の使い方はうまいな~と思いました)、そのペットとも引き離され、見も知らぬ人々の中でただ一人。
私はただ幼いマリーがかわいそうで、思わず涙が出てしまいました(最近とみに涙もろい私・・)

やはり、この映画は女性監督だからここまで出来たんだろうなあ、という気がします。
あくまでマリー・アントワネットの視線の映画。
女としての孤独や寂しさ、ストレス解消方・・。
綺麗なもの、可愛いもの、甘いもの好き、美青年(フェルゼン)との恋。

そんなマリーも、子供を生んでから変わってゆきます。
プチ・トリアノンでの素朴な生活。ドレスも嗜好も変わって。

思うに、マリーにもっと早く子供が出来ていたら、こんなふうにはならなかったのではないかなあ。
ストレス解消のような浪費、贅沢等無く、子供達や回りに目が届く、いい王妃になっていたのかも。

しかし、最近の若い人はマリー・アントワネットが歴史上どんな人物かを知らない人も多いんですね。うちの中学校の娘も知ってますよ~(まあ、「ベルばら」を読ませたからですけど;;)
マリーの運命を知らないと、この映画でうける感銘は薄いのかも。
知ってる人は、「ああ、彼女はこんな生活のあとでああいう最後を遂げるのよねえ・・」と思うからこの映画の彼女をみる目が違ってくるのかも。
知らない人は、「で、彼女は結局どうなるの?」ってことになるのね。

でも、そういう前知識が無くてもそれなりの内容がある作品じゃないかと思うんですけど。

ソフィア・コッポラ監督の作品は台詞に頼らず、視線や音楽で表現してる部分が多いです。
そういうところが私は好きなんですが。

前知識が云々ということでは、「ラスト・デイズ」なんか、私はあんまりニルヴァーナのカート・コバーンの事は知らなくて観たら、??と思う事があったんで、やはり前知識も必要な時もあるのでしょうかね?

この映画は時代考証は全く考えずに観る映画です。(特にお菓子なんて、あんなカラフルなものは当時無かったし)
このマリーも、現代のティーン・エイジャーの女の子としてみるほうが正しい。
18歳の誕生日パーティの夜、朝まで騒いで、ヴェルサイユ宮殿の広大な庭の長方形の池の淵でドレスでしゃがみこんで朝日を見る光景なんて、いまだかってどんな歴史映画にも無かったですよね~;;

中2の娘と観に行ったんです。
彼女は最初「怖くない?ギロチンにかけられるシーンがある?」と聞いてくるので、それは無いよ、といって付いてきたんですが、
観終わったあと、「あれは彼女が悪いよね、あんな贅沢ばかりして」と言うのが娘の第一声。
まあ、あんなふうな寂しさを味わった事の無い子供にはそういう感想かも。
でもマリーのおかれた立場を説明したらなんとなく彼女の寂しさも分かったみたいでした。
ただ、娘は甘いものが苦手なので「あのお菓子見てたら気分が悪くなった~」って言ってました(^^;)

公式HPは→こちら

ああ、なぜ今頃この映画?と思われるでしょうが、
うちの市に唯一つ残存している映画館が、一般公開が終わってから格安で色々な映画を上映してくれてるのです。
多分(いや絶対)大赤字だと思うのですが、オーナーが映画好きらしく、現在も営業をしてくれてるのです。ありがたや~。
これからしばらくいい作品を何本か予定してあるのでまた観に行こうと思ってますv






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最終更新日  2007.05.05 23:53:11
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