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カテゴリ:星河長明 あらすじ
![]() 星河长明 Shining Just For You 第19話 その夜、天妃・冷天㬢(レイテンギ)は恨めしそうに満月を見上げていた。 白露(バイロウ)こと葉凌霜(イェリンシュァン)の薬湯で発作をやり過ごせても、明月の力から決して逃れることはできない。 それにしても皇帝はいつ戻るのだろうか。 後宮に入れば皇帝をそばで守れると思ったが、今や後宮と千里の果て、離ればなれだった。 一方、越(エツ)州では楚夜(ソヤ)が河洛(カラク)族と交渉し、食糧を手に入れていた。 しかしこのまま河洛族に頼ることもできず、諸嬰(ショエイ)は青蘅(セイコウ)公主・七海怜(チーハイリアン)に改めて妻になって欲しいと懇願する。 「天啓で皇帝に謁見すれば祝儀をもらえる、それで次の収穫まで持ちこたえよう」 今や夜北の民と越州軍の関係は良好、まして民のために嫁ぐ公主を責める者などいるはずがない。 すると青蘅は民のためならとっくに嫁いでいたと否定した。 「婚姻を拒んだのには別の理由が…あなたが本当に私を娶りたいかどうかよ」 「もちろん君を娶りたい」 2人はようやく互いの想いが通じ合い、口づけを交わした。 ![]() 晁(チョウ)皇一行は大雨により道が塞がれたせいで越(エツ)州行きを諦め、帰途に着いた。 しかし帰還しても彧修明(ユーシューミン)は朝議を開かず、政務を太宰(タイサイ)・樊如晦(ハンジョカイ)に任せて姿も現さない。 一緒に戻ったはずの白露も顔を見せず、樊如晦はまた白露が皇帝の密命で動いているのではと疑った。 彧修明はにわかに動き出した羽(ウ)人を警戒、探らせることにした。 そこで暗衛統領・風隠(フウイン)は他族の密偵を手なづけた″踏白(トウハク)″と呼ばれる配下をおとりにして羽氏の残党を誘き出すことにする。 一方、顧惘然(コボウゼン)は預けていた分波盅(ブンパチュウ)を白露へ返した。 何でも雲紋(ウンモン)と大いに語り合い、肉体を取り戻したらさらに交流を深めたいという。 「どんな話をしたの?」 「関係ないだろう?!男同士の話だ!」 雲紋は顧惘然には殊勝に振る舞っていたが、白露には相変わら生意気だった。 寧(ネイ)州から天啓に羽族の残党ありと密報が届いた。 実は大都護・雪宣京(セツセンキョウ)が天啓に留まり、見月(ケンゲツ)楼という酒楼に通いつめているという。 酒楼を調べた暗衛は天英(エンエイ)に目をつけ襲撃したが、取り逃がした。 天英は肩に水天青(スイテンセイ)の毒を塗った矢が命中していた。 毒消しには希少な薬材が必要だが、薬舗に行けば足がつく。 しかし運良く翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)がちょうど桃源谷(トウゲンコク)へ手配した薬材の残りを持っていた。 「鶴瑾(カクキン)、矢尻を密かに処分してくれ…誰かに付けられたやも」 翼無憂はふと気配を感じて戸を開けると、琴師の棠縁(トウエン)が立っていた。 「お茶を持って来ました」 翼無憂は茶を受け取り棠縁を下げた。 天英が暗衛に狙われたところを見ると寧州に密偵が紛れているのだろう。 唯一、出自の不明な青草浜(セイソウヒン)の天遙(テンヨウ)が怪しい。 「公子が天啓を離れないのは葉姑娘のためですか? もう時間がありません、雪宣京に助力を仰いでは?」 「私に考えがある」 白露は雲紋に真師に会えたと報告した。 実は閔中(ビンチュウ)山で符文を見つけ、穹石(キュウセキ)に入れたという。 白露はこれでいよいよ時空法陣で過去に戻れると期待し、雲紋に協力を頼んだ。 「時は水のように流れている、過去に戻るには隙間を開けて眼前の道を進む この道を″時遡(ジソ)の回廊″と呼び、歳正(サイセイ)法陣が作り出すんだ」 しかし法陣の発動後も大量の氷玦(ヒョウケツ)を与え続ける必要があるという。 白露は皇帝からたくさんもらったと安心させ、お礼に金盞香(キンセンコウ)と聚楽盤(ジュラクバン)があると教えた。 「(はっ!)法器を持っていたのに隠していたな?!」 白露は街中で奴婢を折檻している樊征(ハンセイ)を見かけ、止めに入った。 するとその奴婢が天啓へ護送される時、同じ車に乗っていた娘だと気づく。 白露は皇帝が夜北の女子を教坊司に登録させて各屋敷へ振り分けたはずだと指摘し、樊府の名簿を見せるよう迫った。 「私が上奏してもいいわ、分配の前に勝手に侍女を奪った者がいるとね」 焦った樊征は慌てて逃げ出し、白露は娘を自分の居所に連れ帰った。 ![]() 雲紋は法器のおかげでついに新しい身体を手に入れた。 そんな中、諸嬰と青蘅公主の婚姻が決まり、皇帝が天啓へ戻るよう勅旨を出したと知る。 白露は前朝の慣例に倣うよう進言したが、樊如晦は運河の建設で国庫が逼迫し、費用を捻出できないと反対した。 「あら、運河の建設を名目に兵備増強の経費から大金を動かしたのは誰でしたっけ?」 「それは…転用もやむを得ぬ時がある!」 すると樊如晦は本来、謁見した要件を思い出した。 「陛下、寧州に青草浜という県があり、先月、100頭の馬を商用として接収しました 小隊の往来も少ない県でなぜこれほど多くの馬が必要に? さらに天遙という羽人は出自不明ながら、誰かの推挙で県令に…」 「推挙したのは朕だが?」 「へ?!ですが天遙の乱費が引き金となり、民が暴動を起こしたとか」 「ならば租税を軽減してやれ」 彧修明は樊如晦が要らぬ詮索をしないよう話を切り上げ、公主の降嫁に関わる金品は前例に則り下賜し、南宮の適当な場所で婚儀を催すよう命じた。 白露は青詹(セイセン)と青夙(セイシュク)兄弟を連れて公主の衣装選びに出かけた。 すると白露の封印が解けたと知った青夙が自分にも何かしら封印があるのではと相談する。 実は親族の中で青夙だけ星辰の力がなく、秘術を学ぶことができなかった。 白露は早速、雲紋に青夙を診せたが、青夙には生まれながら谷玄(コクゲン)の星辰力があると分かる。 「谷玄は静寂にして誰にも見えない力なんだ 何かの秘術を学ぼうとしても、その星辰力は谷玄に取り込まれてしまう 谷玄の術なら別だが…習得しない方がいい、二度と太陽の下を歩けなくなる もし間違って魔道に堕ちれば、あらゆる秘術師に攻撃されてしまうんだ」 皇帝が久しぶりに逐幻(チクゲン)宮に現れた。 天妃は神殿で手柄を立てた白露に褒美を与えないのか尋ねたが、彧修明は渋い顔になってしまう。 すると陵雲(リョウウン)が思わず口を出した。 「陛下は蔡驂(サイサン)の兜を贈ったのに、白大人が返したのです」 「白露も女子なのですよ?女心が分かってらっしゃらない、陛下の真心をお伝えしては?」 広陽(コウヨウ)宮に戻った彧修明は早速、倉から見繕って欽天監へ届け、白露に″労をねぎらい褒美を与える″と伝えるよう命じた。 陵雲は拝命したものの要領を得ぬ命ばかりだと困惑、風隠に愚痴ってしまう。 「簡単なことだ、陛下は白大人に最上の観測器具を届け、氷鑑台に招くおつもりだ きっと告白するのさ」 樊征は再び白露にはめられたと父に泣きついたが、冷たく追い返された。 すると棠縁が現れ、白露を始末しても良いと持ちかける。 樊征は白露を呪い殺すと聞いてさすがに怖気づいたが、棠縁は樊家のためだと訴えた。 「私は大公子のもの、樊家の隆盛は私の幸せです」 「確かに…それもそうだ、成功したら父に取りなそう」 その夜、白露は雲紋にこれからどうするつもりか聞いた。 雲紋はやることがあるが時間がかかるため、当分はここで世話になりたいという。 すると白露がようやく符文を描き終わり、雲紋に過去へ戻りたいと頼んだ。 しかし過去に戻るのは天に逆らう法陣のため、白露が持っている氷玦では質が悪いうえ、全く足りないという。 「ひとまず氷玦を使わず法陣を発動する、過去の様子を見るだけだ」 「はお!阿蕊(アールイ)が峰に向かった時に戻って!」 ![]() 法陣は七海蕊(チーハイルイ)が峰に向かって逃げている映像を映し出した。 追い詰められた翼無憂は七海蕊を連れて崖から飛び上がったが、翼を射抜かれてしまう。 『その傷では逃げられない!手を離して!』 『駄目だ!』 『翼無憂、あなたを愛してる、私を忘れないで』 すると七海蕊は翼無憂の手を無理やりひきはがし、自ら谷底に落ちてしまう。 …私は永遠に夜北を離れない… つづく ( ゚ェ゚)急に詰め込んできた感w お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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