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2024.10.01
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长相思 lost you forever
第31話

小夭(ショウヨウ)を襲撃した沐斐(モクヒ)が辰栄(シンエイ)府に捕まった。
瑲玹は黒幕を暴こうとしたが、沐斐は拷問にかけられても口を割らないどころか、自分を殺せと開き直る。
沐氏は今や沐斐ただ1人、黒幕は初めから沐斐を捨て駒にすると決めていたのだろう。
しかし瑲玹は瀟瀟(ショウショウ)から思わぬ情報を手に入れていた。
実は沐斐の侍女が暇を出されたその後、密かに息子を産んでいたという。
沐斐は慎重を期して母子と滅多に会わなかったが、瑲玹はその息子が沐斐の子だと勘づいた。
「口をつぐんだまま死んでも構わぬ、ならばお前の息子にあの世への供をさせてやろう
 もし私の問いに答えれば息子だけは見逃してやる、小夭を襲った理由だけでいい」

沐斐は沐氏一族を滅ぼした赤宸(セキシン)の娘である小夭を襲ったと白状した。
実は沐斐も五神(ゴシン)山での″第一王姫お披露目の儀″に参列、小夭の目を見た時、赤宸の娘だと確信したという。
そこで真偽を確かめようと五王と七王に謁見し、赤宸と西炎王姫大将軍の密通の噂は本当なのか尋ねた。
七王は確かに当時、そんな噂があったと口を滑らせたが、皓翎(コウレイ)に嫁ぐ前のことだったという。
すると五王はさも真実を隠すように慌てて七弟を止め、沐斐の憶測が事実だと匂わせた。

瑲玹はありえないと沐斐の推測を否定した。
そもそも小夭が赤宸の娘なら皓翎王が気づくはず、少しでも疑念があれば盛大にお披露目の儀を開くはずがない。
沐斐も冷静に考えてみればその通りだと気づいたが、後の祭りだった。
「後悔してももう遅い、お前の命で償ってもらう」

瑲玹はかつて小夭も同じように赤宸の娘ではないかと悩んでいたことを思い出した。
しかし赤水豊隆(セキスイホウリュウ)には師匠と姑姑の名誉に関わることだと訴え、沐斐の話を2人だけの心に留めておきたいと頼む。
豊隆も対応を誤れば西炎王と氏族たちが対立すると危惧して了承した。
「中原の安寧のためにも言動には気をつけるよ」

その頃、相柳(ソウリュウ)の懸命な治療が功を奏したのか、小夭は危機を脱して元神が目を覚ました。
しかし相柳の姿はなく、気がつくと自分の肉体が横たわっている。
Σ(⊙∀⊙)ヒャーーー!<私は誰?ここはどこ?!死んだ?死んだのか?!
小夭はともかく急いで帰ろうとしたが、自分の肉体から離れることができず、助けも呼べなかった。
「今頃、瑲玹が心配しているわね」



小夭が襲われた理由が判明、赤水豊隆と辰栄馨悦(シンエイケイツ)は沐斐に協力した仲間を突き止めた。
関わったのは沐斐の他に赤宸に一族を滅ぼされた3人、申柊(シンシュウ)・詹雪稜(センセツリョウ)・晋越剣(シンエツケン)。
しかし詹雪稜は樊彰(ハンショウ)の許嫁、晋越剣も鄭(テイ)氏の娘の許嫁だったことから、樊氏と鄭氏が助命を求めているという。
味方を増やす良い機会、豊隆と馨悦は大事をなすためには諦めることも必要だと説得したが、瑲玹はどうしても受け入れなられなかった。

瑲玹は父が戦死した時、祖母や母、姑姑が泣き崩れる姿を目の当たりにした。
西炎の初代王后で祖父と共に戦った祖母、若水(ジャクスイ)族の族長として勇敢に戦った母、そして国のために戦死した王姫大将軍の姑姑、瑲玹が知る限り誰よりも強い女子たちが弱々しく途方に暮れる姿は見る者の心を痛めたという。
瑲玹はその時、祖父より強くなって3人を守り、二度と同じ経験をさせまいと誓った。
しかしその時を待たずして3人は逝ってしまう。
「私が強くなるために小夭を傷つけた者を見逃せば昔の自分の誓いを破ることになる
 目的のために小夭の敵討ちをあきらめれば、いつか目的のために君たちを切り捨てるだろう
 私は君子でもないし、女子を喜ばせることもできぬ
 しかし自分の身内や友、配下は必ず守ってみせる
 もし君や瀟瀟、金萱(キンケン)が傷つけられたら、絶対に許さない
 そのせいで険しい道になろうと喜んで進むさ」
豊隆と馨悦は瑲玹の力強い言葉に感銘を受け、なお一層、信頼を深めた。

瑲玹は赤宸のことで小夭が勘繰られないよう沐斐の身柄は辰栄殿に任せた。
申氏・詹氏・晋氏は自分で罰することにしたが、叔父たちにはまだ手を出せない。
「この借りはいつか必ず返す」
詹雪稜は女子であることに免じ、瀟瀟が苦しませず暗殺した。
後の2人は拷問にかけ、小夭が受けた苦痛をそのまま味わせる。
こうして片を付けた瑲玹は寝殿で眠っている分身の小夭に報告した。
「お前の敵は討った…それと引き換えに今までの努力が水の泡となるがな
 一からやり直しだ、また私を支えてくれ」



貝殻に相柳が戻って来た。
元神の小夭は必死に声をかけたが、どうやら相柳には自分の声も姿も分からないらしい。
すると相柳が自分のために心の臓から血を分け与え、霊力まで注ぎ込んでくれた。
『私が目を覚ましたらいくらでも血をあげるわね』
しかし相柳は無理がたたって卒倒してしまう。
『相柳?!相柳?!…やだ死なないわよね?』←他人事w

西炎の朝議、小夭の襲撃事件は西炎王の知るところとなった。
七王は嬴(エイ)氏と褚(チョ)氏が沐氏の血を絶やさぬため沐斐の助命を願い出たと上奏したが、西炎王は西陵珩(セイリョウコウ)の血を引くのも小夭ただ一人だと指摘、小夭には同情しないのかと牽制する。
「私は中原の氏族の代わりに思いを述べただけで…」
「中原の氏族と懇意だとは初めて知った」
父に結託を疑われた七王は激しく動揺し、その場で崩れ落ちるようにひざまずき、許しを請う。
一方、皓翎王は小夭が襲われたと知り、すぐ連れ帰るよう命じていた。
しかし蓐収(ジョクシュウ)の話では瑲玹が救える人物を見つけ、今は動かせないという。
沐斐はすでに八つ裂きの刑に処され、西炎王は助命を願い出た族長の交代を命じていた。
すると皓翎王も自国にいる嬴氏・褚氏・樊氏・鄭氏を追い出すと決め、今後はこの4氏族の入国を禁じてしまう。

相柳はようやく意識が戻り、化粧箱を取り出した。
「瑲玹から届いた霊薬だ、役には立たんがな」
小夭は瑲玹が自分の居場所を知っていることで安堵したが、塗山璟(トザンケイ)の様子が分からず悶々となる。
一方、瑲玹は辰栄山で小夭の好きな鳳凰の木を植えていた。
「鳳凰樹が大きくなったら朝雲峰と同じ鞦韆(シュウセン)を掛けてやるつもりだ」
「いいですね!殿下が王姫の背中を押す、子供の頃と同じです!」
老桑(ロウソウ)が昔を懐かしんでいると、鈞亦(キンエキ)が駆けつけた。
約束の場所に相柳はいなかったが、書き付けがあったという。
「…目覚めてはいないが一命を取り止めた」
瑲玹は喜んだが、塗山璟の容体は悪化の一途をたどっていた。

ある夜、瑲玹の寝殿に刺客が侵入した。
しかし寝台で眠っていたのは瑲玹の分身、禺彊(グウキョウ)こと玄冥(ゲンメイ)はあっけなく捕まってしまう。
「また会ったな、衛兵の目を逃れ、よくたどり着けた」
禺彊は瑲玹に誘き出されたと気づいたが、瑲玹はあっさり解放した。
「行け、次は罠にかからぬよう気をつけろ」

禺彊は懲りずに下山した瑲玹を襲撃した。
しかしまたしても失敗、捕まってしまう。
瑲玹は仕方なく禺彊を地下牢へ連行し、数々の残酷な刑具を見せた。
「ついに本性を現したな!そんな恐ろしい刑具で痛めつけるつもりか!」
禺彊は瑲玹への憎しみを募らせたが、実はその刑具を自ら設計したのは200年前の軹邑(シユウ)城の城主だった兄・玄庭(ゲンテイ)だった。
今では城主が代わり、これらの刑具は使われていないという。
その証拠に瑲玹は玄庭が書き残した刑罰記録を禺彊に渡した。
「当時、私は祖父から玄庭の処断を任された、殺したことに後悔はない
 納得できないならまた私を殺しに来い」

つづく


( ๑≧ꇴ≦)ダメだ~あの巨大貝殻が出てくると急にドラマがネズミーになってしまうwww
小夭、早く復活してくれ~!





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最終更新日  2024.10.01 13:29:59
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