えっ、陣痛?爆笑と感動の出産。<産後0日>
入院生活15日目。昨日21時に消灯してこの日記を書き、早々にうとうとしていると…何やら左下腹に"ピリッ"とした弱い痛み。ん!下痢!?そういえばひなひなの時も「下痢」と勘違いしたっけ…でも本当に小さな"ピリッ"やったので、またうとうと…今日はずっと眠かったのよ~ってな具合で…また"ピリッ"…少し腰も痛い。でもね~またうとうと…今度はじわじわとした下腹痛&腰痛。違ってたら違ってたでそれでいいとして、とりあえずあと1回痛みが来たらナースコール押そう!と案外冷静。ついさっき(PM8:30)まで来ていた家族に「今日は(お産)ないからビール飲んでゆっくりしてねー」って言って別れたのに。旦那とは「和歌山からの運転疲れついでに今日出産になったらどうする~、まあそれはないけど…」なんて電話で話したっけ。朝から調子悪くなく、むしろ良好で、うんち2回も出たしおならもよく出てたし。でも今日はやけにおっぱいが張るなーって思ってた。…なんてあれこれ考えてると、また痛みがきた。さっきの痛みからちょうど10分経過、迷わずナースコール。「張り」という自覚はあまりなかった。今日の担当NSはMT-NSさん。夕食後のモニターつけているときに彼女と色々話をしていて…「うめるかなー?」って聞いたら「出てくる出てくる」って笑ってあっさり。点滴で止めていても本物の陣痛が来たらお産は止められない、って教えてもらっていた。それからMT-NSはもうすぐ結婚するって。私のように痩せてウエディングドレスが着たいって。やせるのも辛いんだよ。まあ、そんな話をして結構リラックスしていたし、落ち着いてもいたかな?ナースコールで飛んできたMT-NSさんに再びモニターをつけてもらって30分ほど様子を見る、これは出産になりそうな「張り」と判断され、張り止めの点滴を最大まで上げ22:15に陣痛室に移動。やっぱり「張り」より「下腹痛と腰痛」が私の本物の陣痛やってんやー!陣痛室でほんのわずかな時間を過ごし、MT-NSさんの内診、子宮口3cm開、頭は驚くほど下がってきている。FK-Dr.登場するも、MT-NSの話を聞き内診を取りやめ、分娩室へ移動するようにと。22:45.実家に連絡を入れえてもらう。家族が帰ってわずか2時間の経過。前回ならまだ陣痛室で過ごしていたような痛みやったけど、やっぱり経産婦なので早めに分娩台へ。まあ陣痛室の狭いベットよりはゆったりしているし、つかまるトコもあるし、こっちのほうがいいや。徐々に痛みと張りが等間隔にやってくる。腰の痛みだけで張りが伴わないこともある。またいろいろMT-NSさんと話す。日付は変わるけど朝までには生まれる。前のお産のこと、MTさんと私は同じ年であること、本当にいろいろ。23:00ころ早くも旦那の両親義妹が到着、遅れること15分実家の両親到着。前の病院のときは分娩室へ入れるのはご主人だけ!やったのに、新しくなって制度もリニューアル!?本人さえOKなら分娩室に入れる人の制限はないらしい。今度は一人ぼっちじゃないんだー、ほっ。母さんに側に来てもらう。やっぱりビール飲んでいたらしい(笑)だんだん短くなる痛みの波の中爆笑トーク!!ゲラゲラ笑って痛みが来ると…MT-NSさんは掛け声、私は呼吸、母は汗だくになって私の腰をさする。でも痛みが引くとまた爆笑トーク、すごくリラックス、こんなのあり!?おなかの赤ちゃんが下がってすごくおなかがすいた。食べるならまだ痛みに間隔がある今のうち…と思ったけど適当なものがない。残っていたおかきをかじっている間に義母がコンビニにパンを買いに走ってくださった。それも…どれもこれも美味しそうなのが4個も!!とりあえず今の状況で食べて害のなさそうな物を…とパン選びに迷う、その間にも陣痛はやってくる(笑)食べながら陣痛、出産を終えたら食べたいもの(ビビンバが食べたかったので「産んだらビビンバ!」が合言葉って感じ。)を話してはまた陣痛、しゃくり上げて笑ってはまた陣痛。廊下で神妙な面持ちで待っているみんなには申し訳ないくらい笑っていた。残念ながらNSさんたち交代の時間。取り上げてくれるのはMT-NSさんじゃないのかー、次は誰かなー?と若干心配していたらSO-NSさん。ホっ。でも交代直後、別の陣痛室からの呼び出しでNSさんは皆そっちへ…私と母さん分娩室に取り残される。「いい張りが来てるね」とSO-NSさんが言っていたし、あと少し。母さんがいるから心強い。前のときも同じような状況になったとき旦那は大阪から到着していなかったので一人で淋しくて、すごく心細かったっけ…私はもし自分に女の子が出来たとして、その娘に私のような思いはさせたくないなーと思った。だからこれは私にとって最後のお産、あと少し、本とに頑張るよーと心から思っていた。急に張りの間隔が狭まる。赤ちゃんが徐々に下がってくるのがわかる。骨盤の痛みに絶え切れず、もがき、体勢はハチャメチャ。更に「いきみたい」気持ちまでやってきて「いきみたいよー」と叫んで、でかしたぞ母さん、すかさずナースコール!!NSさんたちみんな慌ててやってきてびっくり。NSTの音を聞いて「あっという間に間隔短くなったね」SO-NSさん内診。さっきまでの内診ほど痛くない、子宮口がやわらかくなってきているみたい。子宮口8cm開大。いよいよいきみたい気持ちを抑える。これからが本番…案外冷静に「いきんでもいいんですかー?」なんて聞いている。沢山の見慣れたNSさんたちと母さんの声。みんなの声がちゃんと聞こえる。みんなの言うように一緒に息を吸う、と言うより吐く。FK-Dr.到着、既に頭が見えていた模様。いよいよ出産体勢へ…「お尻下げてー、目を開けてー、あご引いてー」いろんな声をひとつももらさずに受け入れられる私が居た。すごく早い展開だったのに、ゆっくりと落ち着いて出来ている不思議な感覚。これでもか、ってすっごく大きなう○ちを出す気持ちでいきむ。1回、2回、3回。「もう1回くらいいきめば出るよ」と先生の声。「益々頑張れそう!」力がみなぎってきた。次の張りがきたとき、母ちゃんの手を強く握って、1回、2回、もういきめないーー…って思った瞬間NSさんおなかに乗って、きゅっ、って押してくれて、つるっ、と頭が出た。あとはハッハッハッ呼吸を逃し、先生みんなに任せ、ひたすら言われるがまま。するする~おなかの中がすっきり☆(胎盤排出)先生の手の中に夢にまで見たねねおの姿!!大きいとか小さいとかそんなのよくわかれへんけど、とにかく間違いなく私と一緒の時間を共有し続けていた赤ちゃんが、今目の前に!!ああ良かった。ただ涙。ただ「ありがとう」の気持ち。聞こえてきた泣き声…ホッと力が抜ける。みんなの笑顔がどうやっても飛び込んでくる。わたし、みんなのおかげで、頑張れたよー、ありがとうございました。そして…おなかすいたヨー!!会陰切開なし、擦過傷のみ。止血処置。ねねおは即保育器へ…平成16年5月14日 AM2:14 2,282g 42.5cm 男児誕生。少し呼吸弱いらしくすぐに小児科Dr.の診察。とりあえず問題なし。明日から授乳できるでしょうとのこと。家族もみな分娩室に入ってくれて、みんなで喜ぶ。「いっぱい食べようね!」が合言葉!?分娩台で2時間の安静。興奮でようやく体に熱がきた。実はさっきまで医師助産師看護師母汗だくのクーラーがんがんにきいたこの分娩室で、私鳥肌たってました。AM4時頃旦那登場。家でビールどころか、「今日は(出産)ない」と思って上司と飲みに言っていたらしい。でも何だか「たくさん飲んじゃいけない」って思って、程ほどにしか飲んでなかったみたい。安静を終え、分娩室から病室へ戻る前にねねおの元へ…思っていたよりもずっと小さくて細くておむつにはかれている。よく眠っていて、その顔は超キュート。やっぱりひなひなに良く似ているかな?やっと会えた。更に部屋で2時間の安静ののちNSさんにトイレへと誘われる。尿意はあるのに全く、いや少量でて終了…おなか押しても全然でない。念願の朝食。今まで吐いて辛かったものを口にするのはまだ抵抗があるけど、でも面白いほど食べれる。歯をくいしばった後でうまくかめないし、飴生活で舌がただれてヒリヒリするけど、何でも美味しくて幸せ。でもいっぺんに食べると体もびっくりするやろうから、ゆっくりすこしずつ。食べて動くとすぐおなかがすく、気持ちのいい感覚。AM熱38.8℃、少しだるい。体を横にはしていても、興奮で眠れない。おしもの傷、痔たいしたことなく、普通に座れるし、おなかも痛くない。PMから子宮収縮剤を飲んだので、少し後陣痛。下腹が張って痛くなり、いきみたりない感じ。!だから「後陣痛」っていうのかな!?赤ちゃんではなく「便」が出た(笑)ひなひなのときより、本とに何もかもらくだー。妊娠が辛かった分、ごほうびだね。夕方お義母さんがケーキを持ってみえる。女同士でゆっくり話せてよかった、早く少しでも体調を戻してみんなを安心させたいな。それからひなひなもお見舞いに来てくれました。久々にひなひなと手をつないで歩く。私のゆっくりに合わせてくれる。ああ、なつかしい感じ。ひなひなもまた、いとおしい。朝ねねおにさわった時の、あたたかくやわらかな感触を思い出す。就寝前に保育器のねねおに会いに行った。穴があくほど見つめるけど、全然足りないし、早く触れたい。まだ目が開いてるところ、見たことがないの~どんなおめめなの?血液に異常はないが、ウイルスか菌か…原因不明の発熱をしているので点滴中、と突然寄って来た小児科のDr.に言われて少なからず困惑。でもKD-NS曰く「ミルクは1回に10ccくらいやけど、しっかり飲んでるよ」と言ってもらって、少しほっとした。陣痛もどきを繰り返したこの2週間。24時間点滴、副作用、嘔吐、小さなおなかに大きな胎動(笑)…どれをとっても、何をしても辛いことばかりでもう産む力なんてない、帝王切開でいい…と思ってた。入院は本とにしんどかった。でも入院していたからこそ、周りのスタッフとたくさんコミュニケーションが取れて、いざ出産って時には馴れた顔が溢れる中で、リラックスして、笑いの絶えない、今までの辛さなんて吹っ飛ぶような忘れられない瞬間を迎えることが出来ました。もう頑張れない、と泣いた日々を覆すパワーを与えてくださったスタッフの皆様に心から感謝します。ちいさな体で一生懸命生まれてきてくれたねねおに感謝します。こんな体になった私を全力で支えてくれた母。出産を終えてそーっと頭をなでてくれた父。あと少し、あと少し、たくさん励ましてくれた義父母、夜中なのに駆けつけてくれた義妹。いっぱい我慢しているのに毎日無邪気な笑顔を見せ本当に本当にいい子にしていて、びっくりする程成長したひなひな。無愛想に、でも本当に誠実に私たちを思い続けてくれただんなさま。それから誰よりも心配性のおばあちゃん。私の周りのたくさんの家族や友人に感謝します。5月14日、春の透き通るこの青空みたいな笑顔のねねおに早く会えますように。たくさんの人が、あなたが生まれたことを喜び、無事な成長を祈っていることを忘れないで。母さんが守るから。