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カテゴリ:北朝鮮問題の分析
最近、チュニジアを皮切りに、エジプト、リビアなどのアフリカ及び中東国家の民主化要求デモが激化している。平和的な方法で独裁者を追放して、民主政府を樹立する過渡期的な段階に入った国家もあるが、リビアのように独裁者の抵抗により、流血事態と混乱に陷る場合もある。 独裁というのは、個人や集団が非民主的な方法で長期に渡って国家の統治権力を掌握することを意味する。独裁者たちは、大概、統治者になる過程の政治的・政策的過失に対して責任を負わないし、国家の発展や国民の安否を無視して、ひたすら自らの安全と政権延長だけに尽力するという共通点がある。また、こういった過程で独裁に抗議する国民に鉄砲と刀を向けて武力で押えて、不正選挙や任期に関連した改憲といった脱・不法、法律的要式行為を好んで行う。 国家も会社と同じく、統治者という経営者が経営上手でないと発展するのは難しい。幾多の困難な内外の環境の中でも、国家を上手に経営して発展させる指導者がいる反面、全世界的な好景気の中でも国民を飢えさせる指導者もいる。無力な指導者は当然、統治者の場から下りなければならないし、政治、政策的な過失に対する責任も統治者が負わなければ、正しい統治制度を定着させるのは難しい。こういった過程が問題もなく進められなければならないが、独裁はこういった一連の過程や国民の選択権を無視して、犠牲だけを強要する。独裁が悪い理由は、こういった点にある。 北朝鮮の金正日政権は、内外の景気とは全く関係なく国民を苦しませただけではなく、飢え死にさせた代表的な悪質中の悪質指導者である。国力を国家発展のために使うのではなく、自分と戦争準備にだけ使う。サウジアラビアも王族による世襲政治体制ではあるが、溢れ返るオイル・マネーを土台に、豊かな福祉政策を十分に進めているので、国民は何の不満もなく暮らしている。中国も北朝鮮と同じように共産党が主導する社会主義国家だが、自由市場経済を採択して、誰でも努力したら豊かに暮らせるという信頼が中国住民の中にはある。 自由は補償なしに、誰かが無料でくれるものではない。独裁者の鉄砲と刀を先頭に立てた弾圧が恐ろしくても、恐れずに全面に出る団合した勇気と力があれば、屈服させることができる。民主化はこのようにして始まるのである。今、北朝鮮が恐れていることは、このような国際社会の民主化に対する国民の要求が、北朝鮮の住民に伝わることである。 金日成から始まった北朝鮮の独裁は、金正日を経て、金正恩という3代世襲体制に移行している。60年以上に渡った期間、北朝鮮住民たちは統治者によって外部世界から断絶され、彼らだけの歴史を書き続けて来た。全世界的に類を見ないほど、北朝鮮政府は住民たちのインターネット、携帯電話、ラジオ、ビデオ、DVD、自由往来などを完璧に統制、封鎖している。この期間に北朝鮮の地で生まれ育った北朝鮮住民は、どんな生き方が良いとか、悪いという比較の対象がない。真実が分からなければ、決して決断を下すことができない。独断は誤った判断でもあり得るが、多数の判断は思考の結集をもたらす。誰かがさせたのではなく、自発的な参同だけが数十万、数百万の人的パワーをもたらすからである。 国際社会は、北朝鮮政権の変化だけが「生きる道」という圧迫を与えなければならないし、NGOは北朝鮮に食糧だけを提供するのではなく、持続的に北朝鮮住民たちの意識改善のための努力を続ける必要がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年04月09日 11時36分44秒
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