この胸いっぱいの愛を
「この胸いっぱいの愛を」梶尾真治著先日「13階段」を読み終わったときに、何故か無性にラブストーリーが読みたくなって、本屋さんで見つけて買った本です。本当はあまり読まないジャンルなんですが・・・でもこれ純愛ものではなくちょっとミステリーチックでした。(潜在意識か・・・・)映画にもなった「黄泉がえり」の作者さんだそうです。あらすじはもし、もう一度、あの時間に戻れるとしたら。そしてやりなおすことができるとしたら・・・。大好きだった年上のある女性、産んだ直後に死んでしまった母、交通事故で亡くなった息子・・・。1986年、門司。”あること”をきっかけに過去に戻ってしまった登場人物たちそれぞれの群像劇。(小学館文庫 背表紙より)飛行機に乗っていたはずが、気がつくとバスの中。町並みはなぜかレトロで道路を走る車も古いタイプばかり。立ち寄った喫茶店で目にした新聞の日付は信じられない過去のもの。過去にタイムスリップしてしまうんです。そしてそこには何年か前の自分がいる。この文中に何度も出てくる「過去は可変性」という言葉がとても気になりました。現実には「未来は可変性」でしかありませんが・・・。誰にでもあの時こうしておけばよかったのにって思うことありますよね。あの時違う選択をしていたら、いま自分はどうなっていたかなって。登場人物たちは、それぞれの過去に悔いを残している出来事があって、そのことに決着をつけたときに現在へ戻ってきました。私ならどの年齢にもどるのか・・・う~~んすごく思いを残している出来事なんてないしなぁ~いい悪いは別として、いままでの決断も、全部自分がその時最善であると判断してしてきたこと。こんな私は登場人物にはなれませんね(笑)途中とても気になっていたのが、過去に戻っている間、その人は現在ではどうなっているのか??ということでした。(これはドラえもんを見ているときにも同じ疑問をもちましたが・・・)結末でこの疑問は解決されました。ネタバレするので書きませんが・・(言いたい~~)文章も読みやすく、ちょっとほろりとする場面もあって、いい本でした。映画も観てみたい気がします。