碁石茶・お茶文化など
以前から興味のあった碁石茶を飲んでみました。このお茶、高知で作られているものなんですが、日本では珍しい発酵茶なんです。日本で一般的に飲まれている緑茶は、茶葉の収穫後すぐに蒸して発酵を止め、揉みながら乾燥させたものです。ちなみに日本にお茶が入ったのは奈良・平安時代、遣唐使によって伝えられたそうです。対して発酵茶。名前の通り発酵させたお茶なんですが、発酵のさせ方もいくつかあったりします。茶葉自体の酵素で発酵させたもの、微生物による好気発酵や嫌気発酵をさせたものなど。代表的なものは烏龍茶・紅茶・プーアル茶などなど、当然ですが中国茶ばかりです。日本の発酵茶として僕が知っているのは、碁石茶と阿波番茶の二つだけ。両方とも四国のお茶って言うのが面白いですね。この発酵茶、中国で17世紀の前半に作り始められたもので、意外と歴史がありません。また烏龍茶や紅茶は、1700年以後に外国人の好みに合わせて輸出用に作られたものとの記録があるそうです。実際、中国国内で消費されるお茶の多くは緑茶です。蒸すのではなく、釜で炒って発酵を止めるのが日本の緑茶との違いですね。ジャスミン茶などは、この釜炒り緑茶に花の香りを移したフレーバーティーってことになります。欧州では一番早くお茶に触れたのがオランダで、これが1610年のこと。同様に海洋国家だったポルトガルと、この二国から欧州にお茶が伝播していきます。この時期は発酵茶がなかったので、意外なことに彼らも緑茶を飲んでいたってことになります。現在では紅茶の本場と呼ばれているイギリスでは、1657年に初めてお茶が売り出されたそうです。イギリス王室に茶の習慣が伝わった、もしくは定着したのが1662年。国王チャールズ二世に、ポルトガル王の娘が嫁いできた時のことです。この際に、日本や中国の茶や茶碗を持参し、お茶の風習を広めたそうです。また、有名なアフタヌーンティーと言う文化は19世紀に入ってからのもので、実は歴史がありません。イギリスで紅茶が広まったのは、植民地であったインドで茶葉が発見されたことが大きいんでしょうね。碁石茶について書くつもりが、いつの間にかお茶の歴史になってました…。以下、碁石茶の説明やら感想やらを。碁石茶は好気発酵と嫌気発酵の両方、二段階に発酵させたもので、発酵茶としても珍しい部類に入るものだと思います。茶葉が碁石のような形で固まっているので、名前もそのまんま碁石茶ってことらしいです。発酵に乳酸菌が使われているので、かなりのクセを覚悟して飲んでみたのですが、意外や意外、全くそんなことはありませんでした。確かに変わった香りだとは思いましたが不快感を受けるような匂いではありませんし、味もサッパリとした、普通に美味しいお茶でした。無理に悪く言うなら、思っていたほどのインパクトがなかったってことくらいでしょうか。ちょっと変わったプーアル茶と言われても信じると思います。二度と飲めなくなる可能性も割りとあったお茶ですから、こうやって飲めるのは幸せですね。ちなみに僕が買ったのはこちら。数量限定!アウトレット碁石茶!今週のお買い得!980円⇒800円!送料無料(メール便)! アウト...価格:800円(税込、送料込)「世界一受けたい授業」で紹介された高知県で唯一生産の「まほうのお茶」囲碁ファンの皆様に愛...価格:2,940円(税込、送料込)普通に買うと高いのでアウトレット商品の方を買いました。アウトレットと言っても、茶葉がバラバラになっていたりもしませんでしたし、普通に飲む分には全く問題ないと思います。最後に参考文献を。お茶の事典/成美堂出版中国茶の事典/成美堂出版一杯の紅茶の世界史/磯淵猛/文春新書