京都こそ風評被害を受けている
■被災地薪の送り火中止、京都市が謝罪…苦情千件(読売新聞 - 08月09日 21:32)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110809-OYT1T00981.htm?from=popin当初このニュースを聞いた時は、「何て酷い」と思ったのですが、ちょっと調べてみると一人の人間に京都も陸前高田も振り回され引っ掻き回された…という結論になりました。陸前高田の方はもちろんのこと、京都人だってこんな中途半端な記事のせいで風評被害を受け、誤解を受けてしまっています。元京都人としてどうしても「解ける誤解は解きたい」と思い、日記に書くことにいたしました。京都人は冷たい。自分達さえ良ければいいのか。二度と京都へ行かない。様々なブログでそう書いている人も多いようですが、そう思うなら別に来て頂かなくて結構。それこそ、東北へ観光に行って復興の足がかりになってあげて欲しいと思います。事の発端は、京都人でも何でもない、大分に住む藤原了児とかいう芸術家の思い付きからでした。送り火の保存会に「津波で流された陸前高田の松の木を使ってメッセージを書き、それを五山の送り火で燃やせばどうか」と持ち掛けてきたのです。そしてその話を進める上で彼は朝日新聞の記者を連れて行き、保存会が断りづらい雰囲気を演出ました。実際、保存会側も「マスコミの人がいたので押し切られた」と感じていた人も少なくないようです。一度は了承したものの、放射性物質に対する不安の声も市民から寄せられるようになり、保存会の中でも意見が分かれました。そこでその人形作家が放射能検査結果を自らのブログに公開し、「セシウムは見つからなかった」と記載しています。しかし「ストロンチウムは見つかっている」とも書かれていました。この部分は多くのマスコミは完全にスルーしています。また、プルトニウムについては検査されていません。放射性物質の中で一番恐ろしいのはプルトニウムであるはずなのに、どうしてその検査はされなかったのでしょう?最終的には、保存会の意思統一が出来ず潤滑な作業が出来ないという判断と、市民からの不安や恐れの声を鑑み中止を決定したとのことです。が、おさまらないのはこの人形作家に同伴して半ばゴリ押しして保存会を説得した朝日新聞の記者だったのでしょう。プロジェクトを大々的に紹介した手前、今更中止だなんて…という思いもあったと思われます。(これはあくまでも私の憶測に過ぎません)そのため、中止の決定を受けてから朝日新聞やANN系列の報道がことさら京都に対して批判的な報道を繰り返し行い、他社もそれに追随しているという有様です。でもその報道には、大分の人形作家の単純な思い付きから始まったということは全く触れられていません。こう言っては何ですが、京都人でも何でもない藤原了児氏が変なことを思いつかなければ、そもそもこんな騒動にはならなかったのです。一番責められるべきは、この人物だと私は思います。そもそも「五山の送り火」とは観光行事でもお祭り的なイベントでもありません。あくまでもお盆の「送り火」であって、先祖の霊を再びあの世へ送り出すための鎮魂の儀式なのです。だから、陸前高田の杉で作った護摩木も、陸前高田で燃やして迎え火なり送り火なりとして現地で焚き上げて頂く方が良かったのではないかと思います。亡くなられた方の魂も、地元から旅立たれる方がきっと嬉しく思われることでしょう。寄せられた苦情の大半が京都府外からのものであるのも、偏った報道がもたらした害と言えます。確かに京都人は排他的な人もいます。というか、実際多いです。でもそんな人達ばかりではないのも事実です。十把一絡げにはされたくないというのが、京都人としての本音です。日記を書いているうちに、いつの間にかこんなニュースが上がっていました…■被災地の薪、一転燃やすことに…(読売新聞 - 08月10日 03:01)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110809-OYT1T01265.htm