カテゴリ:2008年の100冊。
電車の中吊り広告で小林多喜二の『蟹工船』が売れているというのを知って、読んでみました。
私、何度も書いていますが大学では社会学部を出たため、 マルクスの『共産党宣言』初め何冊か社会主義・共産主義の本を読まなければならなかったのですが 学生時代にこれも読んでけばよかった・・・と思いました。 本のあらすじを簡単に言いますと、 『舞台は、北海道の海(ソ連側に近いところ)。 主役は、蟹を捕まえて缶詰にする作業に関わる労働者達。 「丸ビル」(←本に出てくる)にいる会社の幹部達・資本家達は、この蟹工船によって莫大な利益を得ているにもかかわらず、 生活に困った人々を安い賃金で船の乗組員とし、 この船の中は人間とは思えないひどい労働・生活を強いられている。 労働者の監督は虐待をすることで生産性をあげようとする(こうなりたくなかったら働けと)。 労働者達に次第に湧き上がってくる監督者への不満。 彼らは、一人の力では虐待に負けてしまうけれど、団結することで自分達と監督の立場が 逆転するということに気づき始める。 初めみんなでサボり、やがてそれが「ストライキ」へ変わっていく---。 最後にどんでん返しがあるのですが、一人の力は小さくても団結することで 自分達の世界を変えられるのではないか、というところ、船員の士気の高まりが 印象的でした。 昔あった学園紛争なんかも、おそらくこういう流れだったのだろうなと今にして思います。 結局、自分達はいいように使われている。 自分達の生み出したものは不当に搾取されている。 というのは、今の時代にも共通するのでは・・・だから売れているのでしょうねー。 中途半端な考えでこういうこといってはいけないのかもしれないけれど アメリカをみていると、資本主義も限界に近づきつつあるのではないかと思ってしまいます。 先日東洋経済に「子ども格差」という特集がありましたが、 生まれた親の経済力によってスタートラインにも立てない世界ってどうよ・・・ 社会主義、日本で言われる社会主義というのは 『配分の手段・方法を、社会の成員全体で共有することによって社会を運営していく体制である。 資本主義経済における階級的不平等の克服を目的とし、その手段として生産手段の社会化を実現することを主張している。 社会民主主義が、経済的平等と共に政治的平等をも同時に追求するのに対して、社会主義は経済的平等の実現を優先させる点に特徴が見出される。』(出店:Wikipedia『社会主義』) この時代、「経済的平等の実現」って、なんか魅力的に聞こえてきませんか・・・。 (なんかカタい日記になっちゃった。でもまだ続きます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.20 23:11:34
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