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カテゴリ:砂的 映画あれこれ
『風とライオン』という映画は、MGMとコロンビア映画の合作で、 1975年のアメリカ映画。TSUTAYAなら旧作で安く借りられるよ。(笑) 娯楽作品として、とても楽しめるし、遠い過去の歴史に埋もれた、 支配しようとする大国のエゴと、守ろうとする小国の人々という視点で観ると、 また違う感情が芽生える作品でもある。 物語は、モロッコの市場でアメリカ人が誘拐されたことにはじまる... アメリカ市民のペデカリス夫人(キャンディス・バーゲン)と二人の子供を誘拐したのは、 アラブの部族長ライズリー(ショーン・コネリー)とその一派。 時代は、ヨーロッパ列強の覇権主義の矛先が、アフリカや中近東におよぶ頃で、 事件は、国際的な利害が絡んで、たちまち世界中の注目を集めた。 ルーズベルトは、アメリカの威信をかけてこの事態に収拾を図ろうとする... 『風とライオン』は、20世紀初頭の北アフリカのモロッコが舞台となる。 アメリカにとって、20世紀のはじまりは大きな意味を持つ時代なんだ。 "西部開拓時代"は、誰もがゼロから末来を築くことができた一つの黄金期であり、 そんな開拓時代が終わりを告げ、アメリカが新たな価値を海外に求めはじめた頃だった。 そんなアメリカの歴史の転換期に、大統領に就任したのがセオドア・ルーズベルトだ。 彼は、自身の態度や政策を通してアメリカという国に覇権という選択肢を見出し、 内外に威信を示さねばならない立場を負っていた。 一方、ライズリーは列強に侵犯されつつある地域の象徴であり、 対極にある二人が、それぞれの社会背景と使命を背負いながら対決する様子は、 まさに現代の国際情勢のベースが形づくられようとした当時を描く映画だ。 民族の自由と伝統を守ろうとする男と、世界に新たな伝統を築こうとする男。 そんな、対照的な二人の男のドラマとしても、観る価値のある作品だよ。 今夜は、ちょっと浜村淳になってみた。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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