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カテゴリ:砂的 映画あれこれ
映画『ザ・ライト』には、~エクソシストの真実~という副題がついている。 この映画は、実話を基に制作されたミカエル・ハフストローム監督の作品だ。 エクソシスト(悪魔祓い師)が、バチカン公認の職業だというのもこの映画で知った。 この映画は、そんなエクソシストの実像を描いた作品として話題になった。 実は、2011年3月19日に公開予定だったけど、東日本大震災の発生によって、 4月9日に公開が延期されたりもした。 葬儀屋の息子マイケルは、家業を継ぐものと父親から期待されて育った。 けれども、家業を継ぐ決心もなく、かといってはっきりした目標もなく、 何となく「家を出たい」というアホみたいな動機で神学校に進む。 そんなだから、マイケルは卒業する頃になっても信仰にイマイチ自信を持てず、 司祭の道を捨てようと恩師にメールをするが、恩師はマイケルを引き止め、 バチカンでエクソシストの養成講座を受けるようマイケルに勧めた。 疑問を感じながらも、マイケルはイタリアに渡って養成講座を受けるが、 それでも、マイケルは相変わらず、自身の信仰心に確信が持てないままだった。 マイケルは、講座を教えるザビエル神父にそんな心中を打ち明けた。 ザビエル神父は、若き神学生を現役のエクソシストに託すことにした。 こうして、マイケルはローマで"異端ながら一流のエクソシスト"と讃えられる、 ルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)の悪魔祓いに師事することになった。 ある日、マイケルは師匠の悪魔祓いの儀式にドン引きしながら立ち会う。 「精神科の医師に診せた方が?」とか、とにかく老練な神父に疑問をぶつける。 神の存在も悪魔の存在も疑うマイケルだったが、自分が目にしたのは、 そんな疑惑が吹っ飛ぶほどの出来事の連続だった... ホラー色の濃かった、あの70年代の『エクソシスト』のような、緑色のヘドを吐いたり、 首が360度捻じれたり、人体が宙に浮くようなシーンは一切ない。 むしろ、CG慣れしたホラー好きには物足りない映画かも知れない。 だけど、この映画には現代ならではの面白い視点が存在するんだ。 宗教と近代知識を天秤にかける、若者目線の"エクソシスト観"とでもいうべきか... そんな信仰の根本的な難題を、観る人に突きつけている作品だと思う。 劇中、まるでコントのような、ちょっと笑えるシーンが幾つかある。 師匠が、儀式の最中に携帯電話に出たり、 マイケルが、儀式をする師匠を胡散臭そうに眺めていたり、 「必要なのは悪魔祓いではなく治療では?」と繰り返したり、(笑) 少女を救えず、意気消沈した師匠のルーカス神父が悪魔に取り憑かれたり。 こうして、信仰に自信が持てず、何事にも懐疑的な若造が、 異端ながら一流のエクソシストと衝突したり触れ合ったりしながら、 人としても、宗教者としても、成長する姿を描いた作品だ。 最後に、名優アンソニー・ホプキンスの存在感と演技はやっぱり凄い♪ 信仰とかホラーとかの一面で捉えず、ヒューマンドラマとして観て欲しい。 砂浮琴の映画評価は、星三つってとこだな...★★★☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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