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カテゴリ:砂的 映画あれこれ
巨匠、中村登監督の『紀ノ川』は、有吉佐和子の同名小説の映画化作品。 この映画をずっと観たかったんだ。 紀州の元士族の旧家が、明治・大正・昭和という時の激流の中を逞しく生き、 束の間の花を咲かせ、やがて静かに終焉の時を迎える一家の物語。 儚く、まるで平家の栄枯盛衰を見るようでもあり、水の流れのようでもある。 砂には故郷の記憶と重なり、終焉を迎えようとしている我が家の実像とも重なって、 なおさら切なく心に染みる映画だった... 古きよき時代の女性像を、ただ綺麗とかではなく、哀しさ、優しさ、弱さ、 ズルさ、したたかさ、逞しさ、しなやかさと、それぞれの一面を見事に映像に捉え、 美しい紀ノ川の風景とともに、ことさら美しく描かれている傑作だと思う。 この映画は、カット毎に叙情的で美しく味わい深い。 観た人は、それぞれの立場で色んな思いを抱き、何かを感じ取れると思うんだ... 価値ある映画で、砂的評価は星四つだ。★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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