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ないものねだり

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2015.11.25
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カテゴリ:砂的博物誌
DSCN7723.jpg

唐綿(とうわた)は、熱帯アメリカ原産で幕末頃に渡来した。
かつて、先住民は甘味料や医薬として利用したというが、
強心作用が強く、生薬としては危険な部類となる。

学名はAsclepias curassavicaとあり、
ギリシャ神話の医神アスクレピオースの名にちなむ。
英名・園芸名でも、同じくアスクレピアスと呼ばれる。

医神アスクレーピオスは、アポロンとコローニスの息子だ。

話は前後するが、その昔、カラスの羽根は純白だったという。
コローニスと恋仲だったアポロンは、一羽のカラスを遣いとして、
二人の連絡役にしていた。

あるとき、カラスがアポロンにコローニスの浮気をチクったため、
嫉妬に狂ったアポロンは、コローニスを矢で射殺してしまう。
コローニスは、死に際に身ごもっていることを告げた。

DSCN7725.jpg

その直後、カラスの報告は早とちりだったことが判り、
アポロンは、カラスから言葉を奪い羽根を真っ黒に変えた。

アポロンは、絶命したコローニスの胎内から赤子を救い出し、
赤子の養育を、ケンタウロスの賢者ケイレーンに頼んだ。
その子が、後に医学の神となるアスクレピオースだ。

さてさて、カラス座という星座をご存知だろうか。
夜空の彼方、カラス座のすぐ傍にはコップ座がある。
幾ら、カラスが水を欲してもコップには届かない。

アポロンは、かなりドSでしつこい神である。

アポロンとコローニスの恋に、水を差したカラスへの罰は、
こうして永遠に続いているのだ...










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Last updated  2015.11.25 13:22:16
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