カテゴリ:砂的博物誌
唐綿(とうわた)は、熱帯アメリカ原産で幕末頃に渡来した。 かつて、先住民は甘味料や医薬として利用したというが、 強心作用が強く、生薬としては危険な部類となる。 学名はAsclepias curassavicaとあり、 ギリシャ神話の医神アスクレピオースの名にちなむ。 英名・園芸名でも、同じくアスクレピアスと呼ばれる。 医神アスクレーピオスは、アポロンとコローニスの息子だ。 話は前後するが、その昔、カラスの羽根は純白だったという。 コローニスと恋仲だったアポロンは、一羽のカラスを遣いとして、 二人の連絡役にしていた。 あるとき、カラスがアポロンにコローニスの浮気をチクったため、 嫉妬に狂ったアポロンは、コローニスを矢で射殺してしまう。 コローニスは、死に際に身ごもっていることを告げた。 その直後、カラスの報告は早とちりだったことが判り、 アポロンは、カラスから言葉を奪い羽根を真っ黒に変えた。 アポロンは、絶命したコローニスの胎内から赤子を救い出し、 赤子の養育を、ケンタウロスの賢者ケイレーンに頼んだ。 その子が、後に医学の神となるアスクレピオースだ。 さてさて、カラス座という星座をご存知だろうか。 夜空の彼方、カラス座のすぐ傍にはコップ座がある。 幾ら、カラスが水を欲してもコップには届かない。 アポロンは、かなりドSでしつこい神である。 アポロンとコローニスの恋に、水を差したカラスへの罰は、 こうして永遠に続いているのだ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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