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テーマ:癌(3549)
カテゴリ:患者の自立
みなさまこんばんは~
時間をかけて書いた日記が、『登録する』ボタンを押したら思いっきり消えました~ パソコンのせい?楽天のせい? ううう~~~これがあるから嫌い~~~ でも、気を取り直して~~~ 『がんナビ』のReport10月23日に、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が10月4日に発表した5年生存率のデータについて、患者がそれをどう捉え、活用すべきか、という記事が出ています。 全がん協施設、病期別の5年生存率を公表 データの読み方の習得が課題に (がんナビ10月23日掲載 記事は) 全国がん(成人病)センター協議会に加盟している施設が、4種類のがんについて進行度(病期)別の5年生存率を公表した。施設別の治療成績は、患者からのニーズが最も高い情報。こうした公表の動きが広がっていくのは歓迎されるだろう。だが、5年生存率の数字をどう解釈して自分の治療選択に結びつけるかは、簡単ではない。今回、公表されたデータを様々な角度から眺めながら、5年生存率データの読み方を勉強しよう。~後略~(記事序文より) 私もこのデータに関しては、10月10日の日記で触れましたが、やはり、がんナビの記事のようには書けてませんから・・・・(^^;;; みなさまどうか『がんナビ』ぜひぜひお読みくださいm(__)m 記事前半は、 『信頼区間』『1期/4期比』『手術率』 について、どういう意味のあるものか、どう捉えるべきか、が書かれています。 また、それぞれの、病期別、施設別の5年生存率については、クリックしなければ見られないように配慮されています。 数字を見たくないという人はみないで済むように、配慮がなされています。 記事後半は、 『データの持つ限界にも注意を』 『施設間格差を吟味してみよう 』 『患者には生存率を解釈する力が必要』 と書かれ、 <5年生存率を読み解くための10カ条> で、締めくくられています。 患者が情報を『点』で捉え、振り回されてしまったら、その情報には意味がないばかりか、害をなすことになってしまいますね。さまざまな角度から賢く読み取って、上手に活用したいですよね。 たとえば、なぜ、生存率のところに『信頼区間』がわざわざ表示されているかといえば、『率』は、いわば“点”の情報なので、偶然の要素を排除して、『信頼区間』という、“幅”の情報で示す必要があるからです。つまり、分母の小さいデータに関しては、『たまたま』という、偶然の要素が大きく入り込んできますが、逆に、分母が大きければ大きいほど、そういう偶然の要素が小さくなります。 例を挙げれば、5人しか対象患者がいない病院で、5人の内2人が、たまたま他の慢性疾患が原因で亡くなった・・・ということは起こりうるかと思うのですが、その場合は、その2人は、データ上は40%の患者です。しかし、対象患者が100人、200人、と増えれば、たまたま・・・という患者が40人も80人も集まる確率はきわめて低くなりますから、偶然の要素がとても小さくなります。 つまり、分母の小さいデータにおいて、『率』という“点”で評価することは、ほとんど意味がなく、危険なことなのです。 だから、そういうデータは、『信頼区間』という“幅”で評価することが大切なのです。 さてさて・・・・。 そのように、データをどのように読み解くべきなのか、は、がんナビをぜひお読みいただくとして、患者が情報に対し、もうひとつ意識すべきではないかと私が思っていることを書きます。 それは、患者は、情報を活用するだけでなく、情報の収集にも協力しなければならない・・・ということです。 私は、この1年ちょっとの間に、アメリカ、イギリス、オーストラリア・・・などの、患者会の幹部の方の講演を聞いたり、交流してお話をしたりする機会を得ました。 そのかたがたは、それぞれの国で、医療に関する政府の検討会や協議会、諮問委員会などの、委員をなさっていたり、委員とつながりがあったり・・・という方々でもありました。 その方々からのアドバイスとして、 『データに基づいた議論が大切である』 というご意見をいただきました。 主観や感情を排除して、データに基づき、欠けているところ、必要なものなどを主張しなければならない・・・・というアドバイスでした。 その必要性はもちろんわかっているし、そうしたいのです。 でも、日本では、『データそのもの』がないのです。 精度の高いデータがないのです。 私は、がんの医療に関連する検討会を、なるべく傍聴するようにしていますが、そこで、データに基づき、数字を提示された上で議論されていることは、ほとんどありません。 だから、それぞれの専門とする主義主張が繰り返されたりして、あまり議論が進まないのです。 問題点がばらばらと議論されたり、立場ごとの主張があったりで、結局すべての立場を調整したような報告書が出されたりして、それでは結局必要なことが進まないままで終わってしまったりします。 本当に必要な措置が無駄なく講じられていけば、患者にとっても医療者にとっても歓迎される結果が得られるはずですが、データがないために、どうしても、それぞれの主観からの発言という印象が残ってしまうのです。 『人のデータが活用されるのはいいけど、自分の情報は、どう使われるのかわからないから出したくない』 とか 『早く治験のデータが揃って薬が承認されてほしいけれど、自分が治験に参加するのはイヤだ』 というような意識では、がんの医療はなかなか前進しません。 日本の中では、残念ながら、患者さんの意識の個人差が、とても大きいように感じます。 MDアンダーソンがんセンターを見学したとき、病院のあちこちに、治験の参加への呼びかけの標語が看板にして立てかけてありました。 治験がなぜ大切なのか、ということや、治験に参加しないということは、そのエビデンスの恩恵を受ける資格がない、ということが、書かれていました。 MDアンダーソンの患者さんたちの間には、『自分のデータを今後の医療に役立ててほしい』という雰囲気が醸成されていました。 『いま自分が受けている医療は、多くの過去の患者さんのデータに基づいている』 ということを、自覚されている方がとても多いのです。 ボランティアとして、自分の経験を、新しく患者さんになった人をサポートすることで役立てたい、と、『アンダーソンネットワーク』に登録している患者さんが1000人以上いるということでしたが、やはり、日本の患者さんも、自分だけの問題として対応することから、少しずつ、社会に向けて、自分たちの考え方や行動を、変えていく必要があると感じています。 そうすれば、PhRMAの会長の『2007年年頭挨拶と10の疑問』に書かれたような 2. 欧米に比べ、日本の患者や患者団体が自らの健康権の保護や、医療の選択肢の啓蒙に消極的なのはなぜなのでしょうか? という疑問が解消されていくようになると思います。 そして、その部分が変われば、 1. 欧米に何年も遅れて発売される医薬品が、これほど多いのはなぜでしょうか? 6. 国内および国際的な製薬会社が、臨床試験をはじめ新薬の発見や開発に関わる研究の多くを国内ではなく、欧米やアジア諸国で行っているのはなぜでしょうか? 9. 欧米で既に広く使用されている次世代のものではなく、世代遅れの医薬品がなぜ未だに市場に出回っているのでしょうか? という部分も、解消されていくようになるのでは、と思います。 ←よろしければ、クリックを!m(__)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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