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テーマ:今日の出来事(291319)
カテゴリ:べんきょー
この前日に、とあるお嬢さんとテロメアについて熱く(?)語っていたら、
こんな記事が! 染色体保護解明の米3教授=ノーベル医学・生理学賞-老化、がん研究にも貢献 今年のノーベル医学・生理学賞は、テロメア構造とテロメラーゼの発見者でしたか。 思えば、HPVを発見したzur hausen氏がこの賞を受賞したのは、もう昨年の出来事。 月日の流れが何かはやいなーと感じます。黒山羊です。 何か今日は、気合が入ったので、ちょっとテロメラーゼ(Telomerase)について少し。 というか、頑張って書いてみました(月末の学会の準備はー?なんて声は聞こえない聞こえない・・・) 全ての生物は、細胞分裂を行い、その際に遺伝情報を担うDNA(染色体)を複製します。 ただ、このDNAの複製の際に、ちょっと特殊な問題があるのです。 それは、染色体の末端の配列(テロメアといいます)が完全には複製されないのです。 この複製がうまくいかないとどうなるかについては後で触れますが、 この『末端の複製』問題を解決するために、 ヒトを含む、真核生物はテロメアに特殊な配列(ヒトではGGGTTAの1万以上の配列の繰り返し)を置いて、 テロメラーゼという酵素で、染色体の末端部の構造を維持させて、 複製を完了するようにしています。 詳しい機構についてはさくっと略しましたが、 このテロメアの構造が維持されることで、(何らかの原因で)壊れた染色体との区別がなされていたり、 細胞の分裂可能な回数をある程度、調節したりしていると考えられています。 ヒトでは、このテロメラーゼがほとんどの組織では見られないため(組織の維持に重要な役割を果たす、幹細胞では出ているらしい)、 分裂のたびに、テロメアが短くなります。 (細胞が分裂するたびに約50~100塩基対ずつテロメアが消失していくらしいです) 何世代かたつと、子孫細胞は欠陥を持った染色体を受け継ぐようになり、 (染色体の末端が完全に複製できないため) 細胞分裂をしなくなります(replicative senescence) 実際に、ヒトの細胞なんかを取ってきて、 培養してみても、このテロメアの問題が1つにあって、 細胞が増殖しなくなるなんて現象もあったります。 で、 なんで、びみょーに詳しいのか?(というか、今日はことさら、頑張っちゃってるのか?) というと、 このテロメアを伸ばす、酵素 テロメラーゼが、がんではよく(約85%)見られるのです。 また、自分のテーマにしているタンパクが、 テロメラーゼを活性するといわれており、 今年の後半は、この解析をする予定でいたので、びみょーにかじっていたのです。 (古くからの研究まではまだまだ勉強足らずですが) 加えて、解析するための実験も、 うまくいったので、やたー!!と、 勢いの乗って(ちょっと後半失速してますが)、書いてみましたよ、と。 今年は、日本人での受賞はなかったけれど、 偉大な発見・研究なので、 ちゃんと、広めて欲しいなーと思う黒山羊でした。 P.S. 日本ではiPSを樹立した山中先生が、なんで受賞しないんだ(もしくは候補に入っていないんだ) というような声も、一部にはあるみたいなんですが・・・ ノーベル賞の意義など、ちゃんと知られているんだろうか? >偉大な発見し、その発見が広く、医療や科学の進展に役立っていることが必要じゃなかったっけ? 確か、ラスカー賞を受賞されてたけど、 それ即すなわち、ノーベル賞には繋がらない。 まだまだこれからのことだと思いますけど、ね^^; また、候補は原則的に公開していないらしい。 候補を予想しているのは、関係ない団体のようですよ。 とあるお嬢さんにも、さわりだけも理解できるように書いてみました。 図は、Molecular Biology of the Cell 5th editionより(彼女の進学祝予定品) ・・・アフィリエイトには、 売ってなかったか、Cell。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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