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2011年02月01日
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カテゴリ:歴史学習
ちょっとしたきっかけで、日米開戦前夜について、つまり1941年の情勢について調べています。
といっても、国立国会図書館の一次資料をガッチリ調べる、と言った本格的なものではなく(本来は時間かかってもそうすべきですよね)、後年の論評をあっちこっち読み散らかす程度ですが・・・

この日曜、近所の図書館で
ケネス・J・ヘイガン、イアン・J・ビッカートン著 高田馨里 訳 大月書店
「アメリカと戦争1775-2007 『意図せざる結果』の歴史」
の当該部分を読みましたが、なかなか面白かったです。

正直、自分は
「ハル・ノートは事実上の最後通牒と解するべきか」
とか、
「アメリカ側は日本の真珠湾攻撃を事前に知っていたのか」
とかについては、あまり興味ありません。つか、それって自分ごときが核心部分に迫ることが出来るテーマじゃないっすもん。

自分にとってもっとも興味がある点は
1.日本はいつ「対米戦争は不可避」という判断をしたのか
2.開戦前の想定では、開戦後に一体どのように講和に持ち込むつもりだったのか
の2点です。

今回の「アメリカと戦争1775-2007~」は、直接その部分について書かれているわけではありませんが、真珠湾攻撃によりアメリカの戦略優先順位がナチス・ドイツから日本に変わってしまった、という部分は「なるほどなあ」と思いました。
一部、重複した下りがありますが、アメリカの戦争毎に章が独立しているので、部分読みでも十分に面白い本でした。


ケネス・J・ヘイガン、イアン・J・ビッカートン著 高田馨里 訳 大月書店
「アメリカと戦争1775-2007 『意図せざる結果』の歴史」 より

序文
「戦争はあなたが望むときに始めることができる。しかし戦争はあなたの望みどおりには終わらない」-ニッコロ・マキャヴェリ

「私は繰り返し強調するが、戦争は決して『他の手段をもってする政治の継続』ではありえない。逆に、戦争とは、政治的手腕や想像力の破壊的失敗、すなわち享受すべき平和的政治手段を選択肢から強制的に排除するものにほかならないのだ」
-コフィ・アナン国際連合事務総長、二〇〇六年八月十一日

P.280
二〇〇六年、戦争は国策遂行のための適切な手段であると臆せず主張するエリオット・A・コーエンとジョン・グーチという二人の影響力のある戦略分析家でさえ、異なる言葉遣いを用いながらもアメリカ合衆国の戦争の歴史を誤読している。

P.180
極東では、大統領は日本に対する石油禁輸措置を講じた。ローズヴェルトは、この政策が日本による太平洋のアメリカ権益への攻撃を引き起こし、それによってアメリカによる報復の機会を生み出すだろうと十分承知しており、実際そうなると信じていた。

P.183
ローズヴェルトはこの攻撃(真珠湾攻撃)を完全な奇襲攻撃として描き出したが、実際には日本の攻撃は一九四一年末に実現しそうなシナリオであることを熟知していた。

P.184
真珠湾は、歴史的に最大の戦争におけるアメリカ合衆国の戦略的優先順位を変更することになった。ヨーロッパ戦線を最優先するという参戦以前に確認されたイギリス政府との合意に反して、アメリカ合衆国は日本を敗北させることに新たな重要性を見いだした。

P.189
アメリカ合衆国が最優先すべきだったのは対ヒトラー戦争のはずであったが、しかし真珠湾攻撃が、アメリカ人にとって第二次大戦のすべてを変えた。真珠湾攻撃は、すべてを飲み込む巨大な感情の渦のごとく、アメリカ国民、アメリカ政府、米軍を日本に釘付けにした。





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最終更新日  2011年02月04日 09時35分48秒
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