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カテゴリ:宮崎県
都城市の西部を流れる庄内川に懸かる滝、および滝群。日本の滝百選の一つ。
大滝、男滝、女滝の3つからなる。大滝は落差18m、幅40mで、約34万年前の加久藤カルデラで起きた巨大噴火の時に噴出した加久藤火砕流堆積物に懸かり、巨大な柱状節理を沿うように幅広く、豪快に水が流れ落ちる。男滝と女滝は用水路の余水吐き、取水口として作られた人工の滝で、どちらも落差10m。滝の前には吊り橋が架かっており、そこから滝の全景を眺められるようになっている。 滝の上流には関之尾甌穴群がある。長さは600m、最大幅80mにも及び、国の天然記念物に指定されている。加久藤カルデラの巨大噴火でできた溶結凝灰岩を、霧島山からの清流が長い年月をかけて削ってできたもので、甌穴は大きなもので3mを超え、一帯に数千個の穴が散在している。 悲恋物語が伝えられている場所で、約650年前に都城島津家初代領主の本郷資忠がここで月見の宴を催した際に、この地で一番の美女であったお雪という女性が、資忠にお酌をするも緊張のあまり酒をこぼしてしまい、お雪はその醜態を恥じて朱塗りの杯を持ったまま滝壺に身を投げてしまった。その後お雪の恋人だった経幸はお雪の死を悲しみ、槍の穂先で滝の右岸に一首の歌を刻み残して姿を消してしまったという。以来、名月の夜になると滝壺に朱塗りの杯が滝壺に浮かび上がるという伝説がある。 関之尾滝入り口。 川上神社。御祭神は出水神様(デミジンサア)、川上久隆、島津久理公、坂元源兵衛、前田正名。水神様に加えて、滝の水を利用した周辺土地の灌漑に大きく貢献した人々も併せ祀る。毎年9月に家内安全・五穀豊穣・水難除けを祈る出水神祭が行われている。 滝の前に吊橋が架かっており、そこから滝を眺められる。 大滝の全景。柱状節理が立派な溶結凝灰岩に、大きな滝が懸かる。水量豊富で轟音を鳴らしつつ、大量の水しぶきを飛ばしながら滝幅いっぱいに豪快に水が流れ落ちており、迫力のある光景となっている。ちなみに滝の右岸(滝の正面から見て左側)には前述の悲恋物語に登場した経幸が、お雪の死を悲しんで残したと言われる一首の歌が刻まれている。その歌は赤く着色されているとのことだが、自分は見つけられなかった。 橋の下を流れる庄内川。 大量の水が岩盤を叩きつけながら、豪快に流れ落ちていく様子。 男滝。用水路の余水吐きとして作られた人工の滝。滝壺はなく、一直線に水が流れ落ちていっている。 上から見た女滝。男滝と同じく、人工的に作られたもの。 滝の上流に広がっている、関之尾甌穴群。霧島から湧き出る清流が作り上げた地質景観で、砂粒や礫を巻き込んだ急流が河床の柔らかいところを丸く削り、さらにそこに落ち込んだ礫が回転して穴を形成し、大小様々なくぼみ(甌穴)を作っている。甌穴の形成は現在も進行中で、甌穴群の長さは600mにも及び、これほどまでに広い分布は世界的に見ても珍しいものであるという。 ↓ランキング参加中。この記事が良いと思った方はクリックしてね にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.06 22:00:01
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