父の退院前日。
17日間の入院中、持病が悪化しヒヤリとする場面もあったが、手術自体の経過は順調に過ぎた。
週末は見舞って実家に泊り、平日は何度か日帰りで見舞う、という日々が続いた。
休日は旦那とせがれもほぼ一緒に行動していたが、今回の休日はお彼岸だったので、
旦那の方の墓参りを旦那とせがれに任せ、担当医師からの手術の最終報告に立ち会うため、
わたし一人で朝早く病院へ向かった。
父の病室に到着して、両親と兄とわたし、4人が揃った時、なんだか不思議な感覚があった。
かつてはこの4人家族で長い間、毎日暮らしていた。
しかし、兄が結婚して以来、この4人だけになる瞬間はなかった。
それ以降は、常に兄の家族、わたしの家族、誰かしらがいつも一緒にいたから。
今はそれぞれ別の家庭を持ち、そちらが本来の居場所になってしまっているけれど、確かに
この4人で暮らしていたという、家族の連帯感のようなものが甦った。
少し痩せて、亡き祖母の面影を強くした、父が嬉しそうな顔をしている。
そして、母を始め、わたしたちに感謝しているという気持ちを話してくれた。
こんな機会は、両親の病気という招かざる出来事がない限り起こりえないので、歓迎すべきこと
ではないけれど、この瞬間の記憶は、わたしたち4人にきっとずっと残るだろう。
旦那、わたし、せがれの3人家族の形もこんな風に変化していくのだろう。
子供が小さい間はどの家族も、いつも一緒にいるのが当たり前。
たまに息苦しくなるくらい、密着しているけれど、そんな時間もたちまち過ぎていく。
時間の流れの中にいる自分、過去・現在・未来も感じた一時だった。
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