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テーマ:ささやかな幸せ(6742)
カテゴリ: 親
父の退院当日。
前の日の夕方から旦那とせがれも実家に来て泊った。 いつもより早く目覚めたせがれが、「今日はじいじ退院の日やんな!」といきなり言った。 そうだね。天気もいいし、良かったね。改めてわたしも父が退院出来ることを嬉しく思った。 父の新車に乗ってみんなで病院へ向かった。 病気がわかって以来、もう帰れないかもと思ったのか「やっぱり車、買わんほうがよかったかな」 なんて弱気に言うこともあった父。 手術後、主治医からの説明を聞き、その結果が良かったことをまだ麻酔が完全に覚めきらぬ父に 手術無事終わったよ!全部うまいこといったから、何にも心配いらないからね!! とわたしが伝えると、酸素マスクやら鼻から管やらつけていた父がうっすら目を開けて、 「そうか。。またゴルフ出来るな。。」とかすれた声でつぶやいた。 父の執念を感じた。だから、敢えてわたしたちの車じゃなく、父の車で迎えに行った。 父がパジャマから服に着替え、靴をまた履いて。当たり前のことが胸にグッとくる。 残っていた荷物をまとめて、見舞いの花かご等は病院に残してきたが、せがれの作った折り紙の 花束と果物かごだけは、せっかくだから持って帰るといってくれた。 手術の日は平日だったので、わたしだけが病院へ行った時、せがれに託されたもの。 その中につけたせがれのメッセージカード。 『じいじ、早く元気になってね』 そして、その裏に 『人 みんな 生きている』 と書いてあった。 どういう意味だ~??と最初思っていたけれど、今、その言葉がしみじみと染みてくる。 ちなみに、せがれが旦那にも何か書きなさい!と無理やりメッセージを別の紙を渡して書かせた。 長い時間、紙に向かって、悩んで書いたのをのぞくと。。『今度、温泉にいきましょう』 それを見たせがれは、「温泉に。ハッ。温泉へ、ちゃうのん」と指摘していた。 これから手術する人に、温泉って旦那。。。とわたしは思ったが、父は「それもええな」と 喜んでくれた。母は「お父さん、温泉なんて嫌いなくせに」と横でつぶやいた。どっちや。 まぁ、無事に退院できたし、ゴルフも湯治も可能ではある。 自分の車の助手席に座った父は、「通院にもこれからはこの車で来たらええな」と言った。 病院でも家に着いてからも、何度もせがれは「じいじ退院おめでとう!!」と声をかけた。 その度、父は「ありがとうな」と目を細めてせがれに返す。 入院中、何度か実家に泊ったけれど、やはり父がいない家はなんだか妙にスカスカしていた。 父のいつもの居場所であるソファにゴロリと横になっている姿が、目にしっくりくる。 しばらくは自宅療養に努めて、またボチボチと仕事復帰するつもりらしい。 リタイアしているのが普通な年齢だけど、入院中も仕事がらみのお見舞いもひっきりなしで のんびりとしていられなかったくらいだから、そう長くじっとはしていないかも。 娘としては、無理しない程度にのんびり暮らして欲しいと思いつつ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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