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カテゴリ: 親
旦那実家での悶々もそうだけど、問題は住処にもあった。
マンション内にはせがれの同級生が数人いる。 一人の女の子を除けば、違う保育園や幼稚園通っていたので、関わる機会が少なく、 戦いごっこ、ゲーム、サッカー好きが集まっていて、兄弟構成も似た家庭が多く、 一人っ子のせがれとは興味が全く違うので、遊んでもお互いつまらなそうだった。 小学校へあがってからは、集団登下校で、ただ一緒に行って帰ってくるだけのことだと 思うのに、それがトラブル続きの日々の始まりで。 自分たちと違う趣味だったり、思う通りにならないこととか、最初のうちはそんなささいな ことがきっかけでちょっかいを出してきたんだと思う。 その子たちは、列で歩くのを好きな順番に入れ替わったり、走ったり、道草したり。 せがれは、決められた順番を守りたいし、歩いて、道草をしたくない。 テレビ番組の話や、流行りの歌なんか大声でしてる子たちに加わらず、 落語の練習を一人でしてるせがれ。 兄弟がいる子たちと一人っ子のせがれ。 何か自分たちと違うせがれが、だんだんうっとおしいと思いだした子たちは 押したり小突いたりから始まって、それにせがれが反発すると、どんどんエスカレート して、蹴ったり叩いたり、エレベーターに乗せないようにもみくちゃに嫌がらせをしたり。 その子たちは、親や先生の前では実に狡猾で、口裏を合わせ、せがれが悪いとしか言わない。 全治数週間の大けがをさせられたこともあって、その時は周りの子の証言もあり、 一応親子で謝りに来たけれど、そのときでさえ、子供は黙りこくっているし、 親だって責任の元はそっちにあると言うような口ぶりだった。 その後も嫌がらせが続き、どうしてそういうことをするのかと理由を聞くと、 歩くのが遅い、一人で落語を喋って気持ち悪いとか言う。 わたしはトラブルの元をなくせばいいのかと思って、人が嫌がることはしないように、 スピードも合わせて、うるさいと言われないよう黙って歩くようにと言い含めた。 そうしたところで、また何かと難癖をつけては、嫌がらせは続く。 せがれも頑固だから、弱い立場でも理不尽なことに対して決して屈しないので、 間違ったことに対して、黙っていない。 余計に相手もエスカレートして、何度もけがをさせられ、毎日帰宅しては泣いていた。 小さなマンション、親もお互い知りあってるので話をしては見たものの、とにかく 自分の子供の言うことしか聞かないし、立場にたたない。 個人では、ちょっと引け目を感じてる人も、自分が仲間内で悪い立場になるのが嫌で 話を合わせているのがわかった。 学校の方でも注意はしてくれたし、わたしもなるべく目を配っていたけれど、 人目のあるところでは手を出してこなくても、子供たちだけになると、やってくる。 せがれもいろいろ考えて、一人ずつと話をすれば、その時は悪かったとかごめんと 言うのだけど、数の力、仲間といると変に強気になるというか、止められなくなる。 親も子も家族ぐるみでのつながりがあって、その輪の力を大事にまとまっている。 そしてある日、マンションの中で、数人がかりであんまりひどくせがれに手を出している ところを見て、わたしが叱った。 子供たちに話をしていると、母親たちも出てきたので、毎日続く出来事を言って、 本当に困っているということを伝えたのだけど。 このままだと、またいつか大けがにつながるかもしれない。 今までも何度も言ってきたことだけど、普通に何事もなく行き帰りするだけのことが どうして、そんなに難しいことなのか。 自分がされて嫌なことは人にもしないで欲しい。危ないことはしないで欲しい。 ということを頼んでみたのだけど。 しかし、親は、子供の話を鵜呑みにして、元々のきっかけを作るのはせがれ。 男の子は元々やんちゃなもの、多少手を出したとしてもそれは仕方がない。 けがをさせられるのが嫌なら、毎日わたしが付き添って送り迎えをするか、 集団登校をなくすように学校へ申し出ろ、と父親まででてきて言われた。 まるでどこかの国のように、少しでも謝った方が負け。 自分たちの立場さえ良ければ、間違ったことをしても構わないという理屈。 そもそもせがれ自体が変わり者だからと人格を否定するようなことまで言ってきた。 でも、逆にそこまで言われたことでわたしも何か吹っ切れた。 表立ってトラブルになってるのが、うちとの間だけと親たちは思っているのかもしれないが、 実のところ、子供たちは学校でも同じようなことをしている。 いじめられて登校拒否寸前になってる子が学校へ相談していたり、 その子たちが悪さしてることことをよそからも聞いたことがある。 地域の活動などでも、自分たちに都合のいいように勝手を通してると、他の保護者は 不満を持っている。 仲間内で固まってなあなあで通していけているから、自分たちがなんでも正しいと 思い込んでいるが、他の人たちは面倒にならないようにと、表立って言わないだけで、 実は反感を持っている人だって少なくない。 せがれがおかしいなんていいますけど、学校ではみんなと仲良くできてます。 でもあなたの子が学校でも同じようなことをして、困ってる子は他にもいますよ。 と言ったら突然顔色が変わって、黙って逃げるように帰ってしまった。 その後、ご近所では、父親まで出てえらい剣幕でどなり散らして逆切れしていた といううわさが立って、友達に大丈夫だった?と気の毒がられてしまった。 学校にも、今までのこと、言われたことをまんま伝えた。 集団登校の廃止とか、学校の決まりごとの是非にまで言及されていましたが、 わたしとしてはうちの子に普通にトラブルなく登下校してほしいだけなんです。 学校側は、登下校の方法を変えるつもりもないし、相手の親に話をしますといった。 その話の詳細は聞かされなかったけれど、とにかく、手を出されることはなくなった。 たぶん、親も人並み以上に世間体を気にする人たちなので、うち以外にも問題があると 聞いて、旗色が悪いのを察し、はじめて子供たちに怒ったか、言い聞かせたんじゃないか。 学校でも先生が子供たち同士で話し合いをさせて、お互い嫌なことをしないという約束を したらしい。 本心から反省したわけじゃないと言うのがわかるのは、それ以来、直接暴力的なことは、 してこないけれど、ものすごい目つきで、わたしやせがれを睨んでくる。 マンション上層の廊下から、歩いているのを見てたりしても、気がついて、目配せしあって、 睨んでくるのがわかるくらい~ 今までだってそうだけど、挨拶しても返事もないが、睨みだけはしてくる。 いくら言っても分かりあえない相手がいるということを、今回のことでわたしも学んだ。 この10年ほど普通にご近所づきあいしてきて、多少調子のいいところがある人たちだなと 感じるふしはあったけれど、それなりに物が言える関係を築いてきたつもりだったので こっちの道理が通じる相手だと思い込んでいた。 だから、せがれの気持ちや良さもいつかあの子たちもわかってくれるんじゃないかって、 せがれも自分のことを認めてもらいたいって言っていたので、それに近づく日が来るかもと 期待して見守ってきたんだけど。 でも、それはまずあり得ないことだと、理解した。で、せがれにも、そう教えた。 子は親の鏡、あの親の理屈で育った子供たちは、どうしようもない。 あの子たちが悪いというよりは、親が悪い。 正しいことを教えてもらっていないのに、理解するのはまだ無理だろう。 いくら学校や周りに教えてもらっても、子供のうちは親の影響が強い。 もっと成長して自分なりの判断力がついて、変わる日が来ないとは、限らないけれど。 たまたま近所にそういう子が固まってるのは残念だけど、危害が及ばない限りのことは 目をつむりなさい。 今までなんと言っても納得しなかったせがれも、親たちの様子を見てやっと理解が できたようで。 学校の方でも親同士が揉めるのは困るようで、今まで以上に気にしてくれ、 その子たちの兄らが卒業して、公平な目を持つ上級生がリーダーになってからは、 並び順や歩き方もせがれが正しいと認められて、普通に登下校できるようになった。 今は淡々と振り返られるけれど、その頃はほんと、なんとも言えない真っ暗な毎日を 過ごしていたもんだ。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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